ロシア領でのIl74墜落後のウクライナ参謀本部発表「ウクライナ軍は敵のミサイル供給手段を撃墜し続ける」

ウクライナ軍参謀本部は24日、過去1週間ロシア軍はハルキウ州に対して19回のミサイル攻撃を行ったとし、ウクライナ軍はミサイル発射地点とミサイル供給ルートを詳細に調べており、ロシアのミサイル供給手段を破壊する方策をとり続けると発表した。

参謀本部がフェイスブック・アカウントでコメントした

発表には、「戦場で敵があらゆる結果を達成できていないことにより、敵はとりわけハルキウ方面においてテロ戦略を継続している。ハルキウ破壊と民間人殺害を目的としたミサイル攻撃の運用を、私たちはウクライナの他の町でも見ている。過去1週間だけで、ハルキウ州に対して19回のミサイル攻撃が敵により行われた。使用されたのは、地上発射型誘導ミサイル『S300』26弾、弾道ミサイル『イスカンデルM』3弾。結果、16名が死亡、その内1名は児童だ。78名が負傷。13軒の建物が破壊され、その内病院が1軒、教育施設が3軒、住宅が6軒である」と書かれている。

その上で参謀本部は、ウクライナ軍はミサイル脅威を低減すべく、空中を支配するだけでなく、ミサイル発射地点とミサイル供給ルート、特に軍用輸送機の利用を詳細に調べていると指摘した。そして、最近、露ベルゴロド飛行場へと向かう軍用輸送機の数が増えていたことと、砲撃の烈度が直接関係していたことが確認されていたという。

そして参謀本部は、「これに鑑み、ウクライナ軍は、ベルゴロド・ハルキウ方面を含め、テロ脅威低減のために輸送と空域支配の手段破壊の方策を今後もとり続ける」と伝えている。

これに先立ち、ロシアの複数のテレグラム・チャンネルが、露ベルゴロド州で、装備品や兵員の輸送に使用されていたIl76が墜落したと伝えていた。

ロシアの報道機関は、機内には63名の人物が乗っていたが、全員が死亡したと報じていた。

ウクライナ軍内の関係者は、同機は防空システム「S300」のミサイルを輸送していたと発言。このミサイルは、ハルキウ州やその他ウクライナの国境隣接地域の大規模攻撃に使われていた。

ウクライナ空軍は、Il76墜落に関する情報に現時点でコメントを出していない。

また、一部報道では、ロシア国防省が同機には「ウクライナの捕虜65人」と、乗員6名と3名の同行者が乗っていたと主張していると伝えていた。

その他、ウクライナ国防省傘下情報総局のユソウ氏は、ロシアとウクライナの間の被拘束者交換が1月24日に行われるはずだったと発言した。また、同氏は、ロシア側が伝えている捕虜がそのベルゴロド州で墜落したIl76に乗っていた可能性に関する情報は、確認中だと伝えている。