ウクライナ情報機関トップ、ロシア国民志願兵部隊は限定的な目標を達成できる力があると指摘

ウクライナ国防省傘下情報総局のブダーノウ局長は16日、ロシア国民から構成され、プーチン露政権に対峙し、12日からロシア領で戦闘をしている「ロシア志願兵軍団」や「ロシア自由軍団」につき、すでに強力な戦力であり、今後さらに政治的影響力を増していくだろうとの見方を示した。

ブダーノウ情報総局局長がテレビ番組「統一ニュース」出演時に発言した。

ブダーノウ氏は、「私が知る範囲では、彼らは近々(編集注:ロシア領での戦闘を)終了するつもりはなく、彼らの戦力でできることを全て行っていく。なお、私たちが目にしているように、彼らには、言うなれば、限定的な目標を達成するだけの、戦力は十分ある。今後どうなるかは、見ていこうではないか」と発言した。

同氏はまた、本件はロシア国民が自ら国内問題をどのように決めていくかという話に過ぎないと強調した。

さらに同氏は、「ロシア自由軍団」の代表者が、露クルスク州チョトキノとロシアが占領するウクライナ南部ザポリッジャ州メリトポリを交換する準備があるとの発言に関して、喜んで向き合い得る話ではあるものの、現時点ではそのようなことを協議するのは時期尚早だとコメントした。

その他同氏は、ロシア国民の両軍団は政治的主体性を獲得しつつあり、彼らはもう「グループ」ではなく、真の「勢力」となりつつあるとの見方を示した。同氏は、ロシアの民主的未来を勝ち取りたいと思う人の数は増えていくだろうとし、彼らはロシア国内外の様々な野党勢力・運動と団結していくだろうと予想した。

その際同氏は、ロシア志願兵たちはロシアの全面侵攻開始時からウクライナ側で戦っており、ウクライナの多くの激しい戦線で戦闘を行ってきたため、経験を積んでいると指摘した。また同氏は、「可能な範囲で、彼らへの支援を試みる」と約束した。

同時に同氏は、ロシア志願兵の行動がロシアのいわゆる選挙の結果に影響を及ぼすことは考えにくいとの見方を示し、なぜなら、その結果は事前に数字がわかっている捏造されたものだからだと発言した。同氏は、露ベルゴロドの投票率は「75.7%」に設定されていると指摘した。

なお、ロシア国民の志願兵で構成され、ロシア政権との対決を宣言している「シベリア大隊」は、チェチェン・イチケリヤ志願兵と共に、17日朝にロシア領ベルゴロド近郊のゴリコフスキーに進軍し、自治体の行政庁舎を占拠したと発表した

これに先立ち、3月12日、ロシア国民の志願兵からなり、ウクライナ側で戦闘する「ロシア自由軍団」「ロシア志願兵軍団」「シベリア大隊」が共同作戦の一環で、ロシア連邦のクルスク州とベルゴロド州に進入したと発表していた