ロシアは西側政治家の決定に影響を及ぼそうと核兵器での威嚇を行っている=戦争研究所

米戦争研究所(ISW)は、ロシアは西側諸国の重要な決定に影響力を及ぼすために、西側の政治議論のタイミングに合わせて核兵器での威嚇をしていると指摘した。

ISWの5月21日付報告に書かれている

ISWは、5月21日にロシア国防省が核兵器使用の非戦略的(戦術的)訓練の第一段階の開始と、航空宇宙軍による弾道ミサイル「イスカンデル」と空中発射型弾道ミサイル「キンジャル」の訓練実施を発表したことを喚起した。

また報告には、ロシアのクレムリンに表彰されたブロガーが、これらの訓練とロシアによる西側諸国の決定、とりわけ、ロシア国内軍事標的への攻撃のためのウクライナによる西側武器の使用制限を巡る最近の議論に影響を及ぼそうとする努力を直接関連づけたことが指摘されている。

その上で、「これは、ロシアの戦術核兵器訓練が、西側で決定を採択する者を自己抑止へ向かわせるためにしばしば核兵器威嚇を用いるクレムリンによる、反射的コントロールキャンペーンの一部であるとのISWの評価を確認するものだ」と説明されている。

同時にISWは、米国や西側諸国によるウクライナのロシア領内軍事標的への攻撃能力を制限する政策は、「現在のロシアによるハルキウ州、あるいはその他の、ロシアが攻勢作戦を今後実施することを決める可能性のあるあらゆる国境沿いの地区での攻勢作戦に対するウクライナの自衛能力を深刻に弱めるものだ」と指摘している。