汚職対策機関と検事総局がキーウ区行政裁判所に家宅捜査 容疑文作成済み
26日、国家汚職対策局(NABU)と検事総局特別捜査局は、キーウ(キエフ)市区行政裁判所に家宅捜索に入った。
NABUがフェイスブック・アカウントにて伝えた。
発表には、「NABU捜査官は、検事総局特別捜査局とともに、キーウ市区行政裁判所建物内部に許可済み家宅捜査を行っている」と書かれており、今回の家宅捜査は同裁判所の裁判所長と複数裁判官によるあり得る刑事違法行為の捜査の一貫であると説明された。
また、同日、アルテム・シートニクNABU局長とホルバテューク検事総局特別捜査局長がウクルインフォルムにて共同記者会見を行った。
その際、ホルバテューク局長は、同区行政裁判所の裁判所長と4名の裁判官に対する、高等裁判官選考委員会の委員の活動への関与に関する容疑文書が作成済みであり、後は検事総長の署名が必要なだけだと伝えた。シートニクNABU局長は、同裁判所の前述5名の容疑に関して十分な証拠が得られていると説明した。
とりわけシートニクNABU局長は、「私たちは、ヴォウク同裁判所長は保安庁(SBU)職員に対して電話が傍受されているかどうかについていつでも自由に質問することができたことを確認した」と発言した。
続けて、ホルバテューク特別捜査局局長は、区行政裁判所の裁判所長は他の裁判所の案件の審議にも体系的に干渉していたと発言した。同局長は、「区行政裁判所は、政権上部の機関、幹部、国家・社会的レベルの多くの分野に関係する莫大な量の決定を採択している。現時点で、実質的に、区行政裁判所から他の裁判所の案件の審議に体系的に干渉していたことが判明している。干渉していたのは案件審議だけでなく、他の国家機関の活動にも干渉していたのである。その中には、憲法裁判所、省、裁判所が含まれる。私は、国家安全保障への実質的な脅威であると評価している」と発言した。
ホルバテューク局長は、更に区行政裁判所の幹部が憲法裁判所の複数決定の採択のために個別の裁判官に対して影響力を行使していたことが確認されたと発言した。同局長は、「決定は、違法蓄財の無効化や、政権浄化を違法と認定する等のものである」と補足した。
なお、2月26日、憲法裁判所は、刑法典第368-2条を違憲と認定する判決を下していた。違法蓄財への刑事責任適用は、欧州連合(EU)がウクライナ国民への査証免除に向けた行動計画の要件の一つであった。