チェコ裁判所、ウクライナ東部紛争に露武装集団側で参加の自国民に禁固20年判決

チェコのプラハ裁判所は、ウクライナ東部ロシア・ウクライナ紛争にてロシア武装集団「DPR」側にて戦闘に参加したチェコ国民に禁錮20年の有罪判決を言い渡した。

7日、チェコのニュースサイト「ノヴィンスキ」が報じた

イリジ・ウルバネク被告(48歳)(コードネーム「ベゲモート」)は、チェコ市裁判所により、テロ実施、テロ組織参加、その他の行為の罪により、厳格収容所への20年の禁錮刑が言い渡された。ウルバネクは法廷に現れず、裁判は遠隔で行われた。

報道によれば、捜査班は、ウルバネク被告がウクライナ軍に対抗する占領軍側で戦争に少なくとも2年間積極的に参加していたことを証明した。被告は、2015年にウクライナに到着し、少なくとも2018年1月まで塹壕を掘ったり、ウクライナ政府のコントロールの及ばない地域のパトロールを行ったり、「DPR」武装集団戦闘員としてマルインカ、クラスノホリウカ、スパルタクでの戦闘に参加したりしていたという。

ウルバネク被告は、自らの活動を隠しておらず、自身のフェイスブック・アカウントにて、親露分離主義者側で戦闘していると明言したり、戦地で「DPR軍」の軍服を着て写真に写った姿を公開したりしていたという。

ハナ・クレスチノヴァ裁判官は、「被告がウクライナ国民と対峙していた親露分離主義者に共感を覚えていたことは明白である」とし、被告は自らの行動の違法性をよく理解していたと指摘した。裁判官は、「彼は、人の命を脅威にもたらす攻撃に参加していた。裁判は、彼本人が誰かを攻撃したという証拠は持ち得ないかもしれないが、その攻撃に関与していたこと自体が彼を有罪とするものである」と発言した。

なお、ウルバネク被告は、今回の判決以前に、強盗などその他の罪ですでに13年の実刑判決を受けている人物。

チェコの裁判所はこれまでにもウクライナ東部ロシア・ウクライナ戦争に傭兵として参加した自国民に有罪判決を下している。