ロシア兵に終身刑 初の戦争犯罪裁判判決

キーウ(キエフ)市ソロムヤンシキー地区裁判所は23日、スーミ州の非武装民間人を殺害した罪でロシア軍人ヴァジム・シシマリン被告への終身刑を言い渡した。

ウクルインフォルムの記者が伝えた。

裁判官は、ヴァジム・シシマリン被告に対して、刑法典第438条第2項の定める違反行為を犯した罪があるとし、終身刑を言い渡した。

刑法典第438条は、捕虜あるいは民間人に対する虐待、強制労働のための民間人追放、被占領地での国家的貴重品の略奪、国際法が禁止する戦争実行手段の行使、その他ウクライナ最高会議が義務であることを認めた国際条約の定める戦時国際法への違反、それらの行為の実行命令を犯した者を8〜12年の禁固刑に処すことを定めている。同時に、同条第2項は、前述の行為が意図的殺人とともに行われた場合、10〜15年の禁固刑あるいは終身刑に処すことを定めている。

裁判所は、シシマリン被告に関する証拠を認め、殺人が意図的であったという結論に達し、また弁護側による、被告は自らの指揮官ではない軍人が出した命令を執行したのであり、命令自体が犯罪であったとする主張を退けた。さらに、裁判所は、被告による懺悔を誠意のあるものとはみなさなかった。これにより、シシマリン被告は、戦時国際法違反による有罪とし、その罪は国際的かつ特別に重罪のものと認定された。

ロシア軍人のヴァジム・シシマリン被告は、2月28日にスーミ州在住の一般市民オレクサンドル。シェリポウ氏を殺害。ロシア軍人による民間人殺害に関する判決は本件が初めてとなる。