ヘルソン州で記録されたロシア軍人による強姦・性的暴力事例は60件強=ウクライナ検事総長

ウクライナのコースチン検事総長は19日、同国南部ヘルソン州で現時点で記録されているロシア軍人による強姦・性的暴力の件数は60件強だと報告した。

コースチン氏が米国下院外交委員会への呼びかけにて発言した。検事総局が伝えた。

コースチン氏は、「他の町同様、ヘルソンでも、性的暴力は、ロシア勢力の政治的・軍事的戦術として使用されてきた。それは、民間人の抵抗を弱め、くじくために行われてきたものだ。私たちは、同地域で60件以上の強姦事例を記録してきた」と発言した。

同氏はまた、ヘルソン州の1名の女性に対する4か月間にわたる拘束、恒常的強姦、尊厳への侮辱的扱いの事例の捜査が行われていると伝え、本件につき、ロシア軍人1名が被害者の建物に侵入し、そこに長期にわたり滞在し、強姦を行うとともに、被害者と9歳の息子に対する物理的暴力で脅迫していたと説明した。

さらに同氏は、未成年者に対する強姦事例も捜査しているとし、ヘルソン州の村にて、ロシア軍人1名が未成年の女性を両親のいるところで家から連れ去り、強姦したと伝えた。

また、同氏は、ウクライナ軍人の家族の構成員に対する強姦、拷問、性的嫌がらせの傾向も看取されていると指摘した。

その他同氏は、ロシアが行っている凄惨な犯罪の1つが、強制的な移送であるとし、「私たちは、ヘルソン州のまだロシアの占領下にある地域から、占領政権が子供を含む住民を別の一時的占領地あるいはロシア連邦領へ大規模に強制移送しているのを毎日見ている。それは、ウクライナ人、特に児童とその親、家族の分断戦略の延長である。彼らはそれを、ロシア社会への迅速な同化を目的に行っている。ロシアは、強制的に移送した児童への国籍付与手続きも簡素化したのだ」と報告した。

写真:ゲッティ・イメージ