ウクライナ反汚職裁判所、元裁判官に10年間禁固の有罪判決
ウクライナの政権幹部の汚職犯罪の追訴に特化した裁判を行う高等反汚職裁判所は14日、キーウ市ドニプロウシキー地区裁判所の元裁判官であるミコラ・チャウス被疑者に対して、禁固10年間の有罪判決を下した。
クルク裁判長が判決を発表した。
判決では、「裁判官団は以下のとおり判決を下した。ミコラ・チャウス氏にウクライナ刑法典第368条4項の定める罪があると認め、10年間の禁錮の形での罰を定める」と言い渡された。
またチャウス氏は、3年間にわたり、一定の職業に就く権利が剥奪されるという。
さらに裁判所は、判決が発効するまでの期間の予防措置として、チャウス氏を拘束することも決定した。
なお、今回の判決は、反汚職裁判所の控訴院にて30日以内に控訴が可能。
元裁判官であるミコラ・チャウス氏は、2016年8月に15万ドルの収賄犯罪容疑が摘発された人物。
最高会議(国会)は、同年9月に、検事総局からのチャウス氏拘束・逮捕への同意要請を支持する決定を採択(編集注:裁判官の不可侵権解除)。しかし、同決定が採択されるまでの間に、チャウス氏はウクライナを出国し、モルドバで姿をくらましていた。
2021年3月3日、モルドバ最高裁判所は、チャウス元裁判官による亡命要請を拒否。
その後、同年4月3日、チャウス氏の弁護士が同氏が身元不明の武装した集団によりキシナウ中心地で拉致されたと発表。その後、4月8日、国家汚職対策局(NABU)は、収賄容疑により指名手配対象となっていた元裁判官のミコラ・チャウス容疑者をキーウ(キエフ)市内の病院「フェオファニヤ」で拘束したと発表していた。