マレーシア航空MH17撃墜事件の遺族たちがオランダで追悼集会を開催

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2014年のウクライナ東部上空にて298名の民間人が殺害されたマレーシア航空MH17撃墜事件から9年が経過した7月17日、オランダのスキポール空港近くに設置された同事件犠牲者追悼碑近くで、遺族たちが追悼の集まりを開催した。

ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

MH17撃墜事件で3名の親族を失った、「航空惨事基金」代表のピット・プルーグ氏は、298名の命を奪った同機撃墜から今日で9年が経過すると発言した。プルーグ氏は、「その悲劇は、遺族である私たちの人生も大きく変えた。生活は、私たちの身近な人の喪失の前と後で分かれることになった」と発言した。

さらに同氏は、9年前に実質的に始まったウクライナにおける凄惨な戦争は、MH17撃墜事件の遺族に今も強い不安を呼び起こさせ、多くの感情を抱かせていると述べた。

写真:イリーナ・ドラボク/ウクルインフォルム

同氏は、「今日、私たちは、私たちの魂に刻まれている2014年の時に思いを寄せている。私たちの親族のことを覚えていることがとても大切で、私たちは今日、再び彼らの名前を思い出し、互いに支え合った」と発言した。

なお、同日遺族たちは、亡くなった親族たちの名前を読み上げた。

ウクライナのゼレンシキー大統領は7月17日、2014年のウクライナ東部における298名の民間人が殺害されたマレーシア航空MH17撃墜事件から9年が経過したことを喚起し、追悼メッセージを公開した

なお、マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。

2016年9月、国際共同捜査チーム(JIT)は、同事件の技術捜査の結果として、同航空機が、親露武装集団支配地域から地対空ミサイルシステム「ブーク」により発射された弾頭「9M38」により撃墜されたことを判明させている。

同時に、民間調査グループ「ベリングキャット」は、MH17を撃墜した「ブーク」がロシア軍第53対空旅団発のものであることを判明させていた。ベリングキャットは、ソーシャル・メディアとオープンソース情報の独自の分析を通じて、MH17撃墜に関与した20名のロシア軍人を特定させた報告書を発表した。これら軍人の名前が写真付きで示されているこの報告書は、オランダの検察に渡されている。

2018年5月24日には、JITは、MH17を撃墜したロシアのミサイルの破片を公開しつつ、ミサイルがロシアのクルスクを拠点とするロシア軍第53対空ミサイル旅団に属するものであることが判明したと発表した。

2022年11月17日、オランダのスキポール裁判コンプレクスにて開かれたMH17便撃墜事件裁判にて、4名の被告の内、イーゴリ・ギルキン氏(ロシア国籍、ロシア連邦軍元将校)、セルゲイ・ドゥビンスキー氏(ロシア国籍、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)大佐)、レオニード・ハルチェンコ氏(ウクライナ国籍)に対して有罪判決が言い渡されていた