ウクライナの汚職捜査機関、政権高官2名に総額6250万フリヴニャの汚職犯罪容疑を伝達
ウクライナの汚職犯罪捜査機関は24日、農業・食料政策第一次官と元経済次官に対して、食料品を人道支援として調達した際の総額6250万フリヴニャの不当使用容疑を伝達した。
特別汚職対策検察(SAP)がテレグラム・チャンネルで伝えた。
発表には、「2023年8月24日、国家汚職対策局(NABU)とSAPは、戒厳令期間中の国家の必要を満たすための食料品の調達の際における総額6250万フリヴニャの悪用を摘発した。同食料品は、ドネツィク州、ヘルソン州、スーミ州、ザポリッジャ州、キーウ州、フメリニツィキー州、ドニプロペトロウシク州、ポルタヴァ州、キーウ市の住民への人道支援として定められていた」と書かれている。
そして、元高官と現高官がこの不正に関わっていたと指摘されている。
裁判前捜査により、2022年3月に農業政策・食料第一次官が、国鉄「ウクルザリズニツャ」社の資金を用いて、州軍行政府の必要のために、市場価格の2〜3倍の価格で配下企業から食料品を調達する汚職スキームを実現していたことが判明したという。
市場価格より意図的に引き上げられた価格は、仲介業者を通じた外国の生産業者の製品を調達することで実現されたものであったと説明されている。
SAPは、昨年3月から8月までの間、この汚職スキームを通じて、ウクルザリズニツャ社は、(付加価値税を含む)2880万フリヴニャの損失を被ったと伝えた。
さらに、この期間、前述高官が参加した上で、国家の必要のために、意図的に引き上げられた価格で食料品が別の配下企業からも調達されていたと書かれている。この企業自体は、仲介業者を通じて、外国(トルコ)の製品を市場価格で購入していた。しかし、配下企業から別の企業へと製品を売却する段階で、意図的な価格の引き上げが行われていたという。
また、当時の経済次官も、この食料品調達汚職スキームの実現に関与していたという。この容疑者は、ウクライナの製造業を含む、市場の別の企業からのより有利な提案があるという情報を隠蔽し、軍行政府職員が配下企業の製品調達の申請や請求書の作成に不当に同意するよう促したという。
この汚職行為により、2022年3月から8月にかけて、ウクルザリズニツャ社は3370万フリヴニャの損失を被ったと報告された。
支払いが行われた後、その金銭は合法化のために架空企業の兆候の見られる外国の企業へと送金されたという(編集注:マネーロンダリング)。
今回、農業・食料政策第一次官と元経済次官に刑事犯罪容疑が伝達されたと発表された。
この容疑者2名の未決囚予防措置が選択されているところだという。
また、NABU広報室も、今回の汚職犯罪摘発につき、汚職スキーム解説図とともに公表した。