ウクライナ保安庁、国会議員に国家反逆罪容疑伝達
ウクライナ保安庁(SBU)は15日、最高会議(国会)議員のネストル・シュフリチ議員に対して、国家反逆罪容疑を伝達した。
SBUがテレグラム・チャンネルで公表した。
SBUは、国家捜査局と検事総局とともに、シュフリチ容疑者の反ウクライナ活動に関する証拠を収集してきたと伝えた。今回シュフリチ容疑者には、刑法典第111条「国家反逆罪」の容疑が伝達されたという。刑法典では、最大15年の禁固刑が想定されている。
捜査情報によれば、シュフリチ容疑者は、ロシア連邦保安庁(FSB)のエージェントとして、ウクライナ国内でロシアのエージェント活動の調整を行っていたヴォロディーミル・シウコヴィチ元国家安全保障国防会議(NSDC)書記と緊密に協力し、課題を遂行してきたのだという。
SBUは、シウコヴィチ氏は2014年にモスクワへ逃亡して以降も、ウクライナに対する破壊活動を続けていると指摘した。国家反逆罪容疑で拘束されたオレフ・クリニチ元SBUクリミア自治共和国局長の監督を行っていたのもシウコヴィチ氏だったという。
シュフリチ容疑者の課題の1つは、情報分野での工作活動であったと指摘されている。シュフリチ氏は「ウクライナは人工的に作られた国家」「ウクライナとロシアの歴史は1つ、ウクライナ人とロシア人は1つの民」などというロシアのナラティブを体系的に拡散することで、ウクライナ社会に親露的感情を醸成しようとしてきたと説明されている。
現時点で、容疑者とその関係者の居住地に45件の家宅捜索が行われており、裁判前が続いていると書かれている。
ネストル・シュフリチ氏は、親露政治家と知られ、1998年から最高会議議員に連続当選してきた人物。2019年には、政党「野党生活党」から当選していた。なお、同党は、2022年2月24日のロシア軍による全面侵略戦争の開始後に、禁止された。