ウクライナ保安庁、ロシアによるフローザ村へのミサイル攻撃を支援した2名の男性を特定
ウクライナ保安庁(SBU)は11日、10月5日の東部ハルキウ州フローザ村のカフェへのロシア軍によるミサイル攻撃を支援した2名の男性を特定したと発表した。
SBU広報室が伝えた。
発表には、「犯人は、同地が占領されている時に露シスト(編集注:ロシア+ファシストの造語)側へと寝返った、地元住民の30歳のヴォロディーミル・マモン氏とその23歳の弟ドミトロー・マモンの2名であることが判明した。これにより両名は、占領政権『ハルキウ州軍民行政府内務局』での職を得ている。1名は『車列の運転手』に、もう1名は『道路パトロール局監督』に任命されている」と書かれている。
さらに保安庁は、同地が占領から解放される前に2名は親族と共にロシア領に逃亡しており、そこで侵略国を支援する活動を続けていると伝えた。
ロシア占領軍の指示で、両名はウクライナ政府管理地域内の内通者ネットワークを遠隔で形成し始めており、解放されたハルキウ州の自治体から親族、隣人、知り合いを工作活動に加えていると書かれている。
メッセージアプリでのやり取りにて、両名は、ウクライナ防衛戦力の配置地点や地域の大型イベント開催に関する情報を尋ねていたという。
捜査によると、本年10月初頭から両名は、フローザ村で予定されていたウクライナ軍人の遺体の再埋葬に関する情報を集め始めていたのだという。その際、両名は、その攻撃によって、彼らに情報を提供した人物を含め、村の両名の知り合いである民間人が確実に死ぬことも理解していたという。
ヴォロディーミル・マモン氏は、行事の開催場所と時間に関する確実な情報を得ると、それをロシア軍に提供したと書かれている。
そして、ロシア軍は、提供された情報を使って、ウクライナの村へ「イスカンデルM」でのミサイル攻撃を実施した。
このロシア軍の攻撃により、児童を含む、53名の民間人が死亡、6名が負傷した。
SBU捜査班は、集めた証拠をもとに、「事前談合により戒厳令下で行われた国家反逆罪」容疑を両名に、ヴォロディーミル・マモン氏には追加で「事前談合で行われた意図的殺人に伴う武力紛争法違反幇助」容疑をかけたという。
発表には、両容疑者がロシア領へと移動していることから、両名の所在地の特定の作業が行われいてると書かれている。
これに先立ち、ウクライナへの全面侵略戦争を続けるロシア軍は、5日日中に同国東部ハルキウ州クプヤンシク地区フローザ村の食料品店をミサイルで攻撃していた。