ウクライナ汚職捜査機関、前大統領府副長官に汚職犯罪容疑伝達

ウクライナの政権高官による汚職犯罪の捜査・追訴に特化した法執行機関「国家汚職対策局(NABU)」と「特別汚職対策検察(SAP)」は、ウクライナ大統領府の前副長官(2019〜2024年)に対して、1570万フリヴニャの違法蓄財捜査における容疑を伝達した。

NABU広報室が公表した

捜査班の情報では、2020年から2022年にかけて、同人物は、その期間の貯蓄と公式な収入は130万フリヴニャ強であるにも関わらず、1710万フリヴニャ相当の資産を獲得したという。

NABUは、「すなわち、獲得した資産の額と高官の資産の差額は1570万フリヴニャであった。獲得したのは、車両2台(メルセデスベンツ、フォルクスワーゲン)、バイク2台(ホンダ、BMW)、キーウ市内の駐車場3か所、リヴィウのアパート、ザカルパッチャの土地である」と伝えた。

また、NABUは、容疑者はこの資産の存在を隠すために、その大半を親族の所有とした上で、使用権限のみ自分のものとしていたと指摘した。さらに、ホンダ社バイクは最初友人名義で登録してから、その後自分へと名義変えしていたという。

その他、発表には、今回の摘発は、民間ニュースサイト「ウクラインシカ・プラウダ」の調査報道が公開された後に実現したものであり、また捜査は国家汚職防止庁(NAPC)の支援も受けて行われたと書かれている。

公共放送「ススピーリネ」によれば、この容疑者とは、アンドリー・スミルノウ前大統領府副長官だという。

これに先立ち、3月29日、ゼレンシキー大統領は、スミルノウ氏を大統領府副長官職から解任していた。スミルノウ大統領副長官は、大統領府で主に司法改革を担当していた。

同職後任には、イリーナ・ムードラ氏が任命されている