国境沿いのロシア軍に大きな増加はない=ウクライナ安保会議書記

ウクライナ国家安全保障国防会議(NSDC)のオレクシー・ダニーロウ書記は24日、ウクライナ国境付近のロシア軍の兵力はここ最近で大きな変化はないと指摘した。

ダニーロウ書記が同日のNSDC会合後の記者会見時に発言した。

ダニーロウ氏は、「今日の時点で、私たちは、10万9000人の軍事要素(編集注:兵力)と1万〜1万1000人のいわゆる補助役を目にしている。私はもう一度強調する。仮に私たちのパートナーたちにとってはそれが大きな増加だとしても、私たちにとってはそれは新しいことではない。それは長らく続いている状況である。2〜3000人増加するというのは、私たちにとって決定的なことではない。私たちはそれを全て把握している」と発言した。

同氏はまた、2月にベラルーシ領で行われる軍事訓練も把握しているとし「私たちは、そこでどのように何が行われるか明確に理解している」と発言した。

同氏は、現在ロシアからの圧力はウクライナのみにかけられているのではないとし、「圧力は、米国にもかけられており、彼ら(ロシア)は最後通牒をつきつけた。EUの民主主義を防衛するための強靭さ、能力にも圧力がかけられている」と指摘した。

同時にダニーロウ氏は、国民に対して平穏を保つよう呼びかけた。同氏は、「国民に関しては、平穏、平穏、さらに平穏、である。必要となれば、私たちには、全国連絡システムがある。私たちは、何も隠蔽することはない。なぜなら、ご覧の通り、私たちは全ての過程をあなた方の判断に委ねており、どのような場合も、あなた方と対話しているからだ」と発言した。

さらに同氏は、現在ロシアの全面的侵攻について話すべきではないとし、「私たちは、今日私たちの国への全面的侵攻について明言できるような根拠は、現時点で一切目にしていない」と強調した。

他方で同氏は、ロシア領内でロシア軍の移動が起きていることは認め、「私たちは、それを確認している。しかし、それは私たちにとって驚きではない。それは私たちの外国パートナーたちにとって驚きなのであって、彼らはようやく、ロシア軍がそこにいることを、それがある種の動きをしていることを目にしたのだ。この状況は、10月30日、ワシントンポスト紙の報道にて始まったことだ」と喚起した。

また同氏は、現在多くの国が武器を供与することでウクライナをサポートする準備を示しているとし、「私たちは、世界がようやく私たちのところで侵略が起きていることに注意をむけてくれたことを大変嬉しく思っている。今日、それは英国・米国などだけではない。それは主に北大西洋条約機構(NATO)加盟国であり、私たちの主権と国家が守られるように必要な時に支援する準備がある国々である」と発言した。