独政府、防空システムや戦車からなる総額10億ユーロ以上の新たな対ウクライナ軍事支援を発表
ドイツ政府は10日、ウクライナに対する、防空システムや戦車からなる新たな軍事支援を発表した。
ドイツ国防省がソーシャルメディア「X」アカウントにて発表した。
発表には、「ドイツはウクライナのための第2冬季パッケージを用意している。ドイツは、重要インフラを守り、さらなるサポートを確保するために、総額約10億ユーロの(編集注:防空システム)『パトリオット』『アイリスティー』のSLMとSLS、さらに地対空戦車『ゲパルト』3両による追加の防空を提供する」と書かれている。
さらに、今後数週間で、ウクライナには、ドイツから戦車「レオパルト1A5」が10両、装甲輸送車が15台、防護衛星車両が約20台到着すると報告されている。
またドイツ国防省ウェブサイトの発表によれば、ピストリウス独国防相は、「ドイツは今後も、ウクライナが最も必要とする防空、弾薬、戦車で、同国への支援を提供し続ける。新しい冬季パッケージにより、私たちは、ウクライナ軍の今後数か月の作戦面の準備をさらに向上させている」と発言した。
同氏は、今回の冬季支援の中心となるのは、パトリオットとアイリスティーであり、これらの防空パッケージで10億ユーロの価値となると指摘した。また、同氏は、ゼレンシキー大統領に先週約束したように、第二のパトリオットは、ドイツ軍の在庫から提供されるものだと指摘した。射撃管制センターとレーダーの他、8つの発射機を含むという。さらに、60弾以上のミサイルも提供される予定だと説明されている。
ウクライナ軍人の訓練は、今後数週間以内に始まるという。
また、ウクライナは10月に、3つ目のアイリスティーSLM(中射程)と2つ目のアイリスティーSLS(短射程)を誘導ミサイルとともに受け取ることになると書かれている。
さらに発表には、ウクライナの特殊部隊用の大型支援パッケージとして、総額2000億ユーロ以上の輸送手段、武器、個人装備が提供される予定だという。ピストリウス氏は、「これは、ウクライナの特殊部隊の戦闘能力をさらに高めるだろう」と述べている。
発表には、支援額にて、ドイツは欧州にて最も重要な支援者であり、世界では米国に次ぐ支援者となっていると説明されている。
また、2023年年末までに、ドイツ国内で1万人のウクライナ軍人の訓練が終了する見込みだという。
同発表につき、ゼレンシキー宇大統領は同日、ソーシャルメディア「X」アカウントにて、「今日の大型軍事支援パッケージにつきドイツに感謝している。パトリオット、アイリスティー、ゲパルト、戦車、装甲車、その他の物だ。冬が近付く中、それは確実に私たちが必要としている支援であり、私たちがグラナダでショルツ独首相と協議したものだ。私たちの合意は機能している」と謝意を伝えた。
これに先立ち、5日、ショルツ独首相は、ドイツはウクライナに対して冬季に向けて追加で防空システム「パトリオット」を供与する作業をしていると発表していた。
なお、11日、ブリュッセルにて、第16回ウクライナ防衛問題コンタクトグループ会合(ラムシュタイン会合)が開催されている。