ウクライナ人道オンブズマン、政府提出の新動員法案の3つの違憲項目を指摘
ウクライナのルビネツ最高会議(国会)人権問題全権は、同国政府が提出した新しい動員法案においてウクライナ憲法に反していると思われる項目を3つ指摘した。
ルビネツ全権がNVへのインタビュー時に発言した。
ルビネツ氏は、「私は、直接の違憲に該当するのは、法案の提案された版において、地域採用センター(編集注:徴兵機関のこと)の追加的権限が加えられていることだと思っている。私は、領域採用センターが軍事組織であることをはっきりと示した。私たちの憲法に従えば、軍事組織は、たとえ法的に戒厳令が導入されていても、ウクライナ国民の権利制限には加わることができない。それは私たちの憲法の直接的規範だ。私は、例えば、地域採用センターの活動における問題を皆が見ている中で、どうして彼らに身分証明書を確認できるようにする権限を加えるのか、理解できない。私たちには、ウクライナ国民の身分証明書を確認する機関は存在する。それは、第一に国家警察、そして国境警備庁、国家警備隊だ。しかし、軍人は間違いなく違う」と発言した。
ルビネツ氏はまた、2つ目として、ウクライナ国民が自分の資産を完全に扱えるかどうかについて、領域採用センターのトップが自らの決定で影響力を行使できるようにする項目を指摘した。その際同氏は、「誰かが自分のアパートを売ることができない、という決定を軍人が採択するというのはナンセンスだ。そのためには、同様に、執行機関の関連組織がある」と発言した。
同氏は、3つ目は第3類障害者に関するものだとし、提出されていた法案では、彼らの軍への参加が提案されていると伝えた。
その上で同氏は、「軍の幹部からそうしなければいけないという要請がある場合、社会がそれを支持しなければならないということは、私たち全員が理解している。私たちは自分たちの軍を支持しているし、自分の国家を支持している。私たちは耐え抜きたい。よって、私たち皆が、それが全くもって私たち全員に関わっていることだということを理解せねばならない。他方で、それは完全に合法的な手段で行わなければならないのだ」と強調した。
これに先立ち、昨年12月25日、ウクライナ閣僚会議(内閣)は、最高会議に対して、新しい動員法案(「動員、軍籍、軍役の個別問題の補完に関する法案」、法案番号第10378)を登録していた。
この法案は、ウクライナの政界や社会に多くの議論を呼び起こした。
1月11日、同法案は、追加作業のために最高会議から閣僚会議に返却された。その後、ウメロウ国防相は、自身のチームはすでに最高会議議員の全ての提案を考慮した新しい法案を策定したと発言している。