ウクライナ防空強化のためには集めた10億ユーロでは不十分=ベーアボック独外相

ドイツのベーアボック外相は21日、パートナー国により集められた約10億ユーロでは、ウクライナの防空強化のためには不十分だと発言した。

キーウを訪問したベーアボック独外相がクレーバ宇外相との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ベーアボック氏は、世界はロシアの空爆からウクライナを守らねばならないとし、プーチンは空爆によりウクライナの民間インフラを意図的に破壊していると発言した。

その際同氏は、ドイツはウクライナを必要な限り支援していくと改めて強調し、全面戦争は2年経過した今、新たな次元に移行した、ロシアはウクライナの電力システムを体系的に破壊することで、ウクライナの経済を破壊し、人々を殺そうとしていると述べた。そして同氏は、「今、完全にはっきりしていることは、プーチンには人間性のコンパスがないということだ。私たちは、さらに断固に、団結して、人間性のために立ち向かわねばならない」と強調した。

さらに同氏は、現在の絶対的優先課題はウクライナの防空を強化することだとし、そのためにウクライナのパートナー国はすでに約10億ユーロを集めたが、それでは不十分だと発言した。その上で同氏は、世界中の国際パートナーに対して、ウクライナの大都市だけでなく、インフラも守れるようにすべく、追加防空システムを提供するよう呼びかけ、提供が遅れれば、無辜のウクライナ国民の命が代償となるし、欧州の安全保障も脅威に晒されると発言した。同氏は、ドイツの予算採択に影響力を持つ政治家にも呼びかけた。

その他同氏は、ドイツは全面戦争が始まってからこれまでにウクライナに340億ユーロの支援を提供したと指摘した。