ウクライナ国防省、軍人用スマホアプリ「アルミヤ+」を発表

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ウクライナ国防省は8日、ウクライナ軍内の各種文書のデジタル化の端緒となるスマートフォンアプリ「アルミヤ(軍)+」を発表した。同アプリは開発途中であり、現在では電子身分証明書の取得とアンケートへの参加のみ可能。

アプリのプレゼンテーションには、ゼレンシキー大統領、シュミハリ首相、ウメロウ国防相、フェドロウ・イノベーション・教育・科学・技術発展担当副首相兼デジタル移行相が出席した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ゼレンシキー大統領は、「今日から、アプリ『アルミヤ+』が使えるようになる。同アプリは基本的な機能から始まり、今後新しい機能が加えられていく。とりわけ、これまでは少なくとも数時間、数日かかっていたことが、数分、数クリックですぐにできるようになる。また、アルミヤID、それから、私たちの部隊の支給に関する本当の状況を把握するためのアンケートもある。そして、これはアルミヤ+の最初のリリースに過ぎない。今後、私たちは、『ジーヤ』(編集注:官製政府サービス提供アプリ/オンラインポータルサイト)で機能を増やしてきたように、『アルミヤ+』にも新しい機能を加えていく」と伝えた。

写真:ヘンナジー・ミンチェンコ/ウクルインフォルム

またゼレンシキー氏は、今年のアプリの目的は、ウクライナ軍を多くの時間を奪うペーパー作業から解放し、指揮官や兵士が旧式で誰にも必要のない官僚主義的な作業や紙への記入作業に時間を奪われないようにすることだと指摘した。

同氏は、アプリの次の段階は、軍人が軍役における必要な社会面、コミュニケーション面のニーズを満たす上で役にたつ機能となるべきだと発言した。その際同氏は、「特にアプリには、コースや学習プログラムが加えられる。新しいことの習得が私たちにとっての優先課題だ」と強調した。

さらに同氏は、今後「アルミヤ+」を通じて、保護されたチャットを通じた軍人間の信頼できるコミュニケーションが可能になると補足した。

シュミハリ首相は、「アルミヤ+」は現在ウクライナの法律環境に完全に統合されていると指摘し、すでに政府が関連閣議決定を出していると伝えた。

ウメロウ国防相は、同アプリの作業を始める前に、現在軍の中で最も必要とされているデジタルサービスについて理解するためにアンケートが行われていたと伝えた。

その際ウメロウ氏は、「アンケートにより、64%以上の軍人が紙のレポートを電子化することを優先すべきだと考えていることが示された。今日から、『アルミヤ+』がその可能性をもたらす」と強調した。

また同氏は、「アルミヤ+」は単なるデジタル化以上のものだと指摘し、「(編集注:今後)軍人のための全てのサービスが1つのシステムに統合される。銀行、学習、デジタル化された文書、医療サービス、ロジスティック、人事問題、フィードバック。これは、全ての私たちの問題をワンクリックで解決していくアプリなのだ。『アルミヤ+』は、1人1人が必要な情報とサービスに迅速かつ便利にアクセスできる、人を志向する環境なのだ」と強調した。