チェコ大統領、領土の一部が占領されたままのウクライナのNATO加盟は可能と指摘

チェコのパヴェル大統領は、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟するには、同国が全土を完全に解放するかどうかとは関係なく可能だとの見方を示した。

パヴェル大統領がチェコの「ノヴィンキー」へのインタビュー時に発言した

パヴェル氏は、「私は、全領土のコントロールの完全回復は(加盟の)必要条件ではないと思っている。もし線引きが行われる、あるいは何らかの行政境界線が引かれたら、その時私たちはその行政境界線を暫定のものとして受け入れ、ウクライナをその時点でコントロールしている境界線内でNATOに受け入れることは可能だ」と発言した。

同氏はまた、そのような前例は歴史上、ドイツの例がすでにあると述べ、その際全ての西側諸国がドイツの分割を受け入れたわけではないが、同国の一部はソ連により占領されている中、同国西側が1955年にNATOに受け入れられたことを喚起した。

そして同氏は、「そのため私は、NATOがロシア連邦との紛争の当事者にならないようにしながら、ウクライナをNATOに加盟させるための、技術的な決定も、法的な決定も存在すると思っている」と発言した。

さらに同氏は、今後数年間でウクライナはロシアとの間で和平に合意することができることを予想していると伝えた。同氏は、それは、双方が戦争はこれ以上続けられないと理解した場合に生じるとし、それは世界の国々、米国、中国、欧州連合(EU)が大きく促さねばならないとも述べた。

その他同氏は、そのような合意は、ロシアがウクライナ領を長期にわたって占領することを意味するかもしれないが、世界の民主的な国々はそのような国境の変更を認めることはないとの見方を示した。

そして同氏は、「もし和平協議が行われれば、私たちはおそらく、ロシアがウクライナ領の一部を長期間占領することにつき話すだろうし、国際法と国連憲章を尊重する民主的な国々の観点からは、私たちは戦う当事者の間の合意を尊重することになりつつ、侵略にもとづいた国境の変更には同意しないことになる」と説明した。

その際同氏は、民主的な国々は、ロシアによる領土の占領を「一時的被占領下」としてのみみなさなければならないと指摘した。

その他同氏は、ウクライナ軍によるロシア領クルスク州での作戦は、あり得る将来の和平交渉に向けて、より良い立場を得ることを目的にしたものだとの見方を示した。

写真:ウクライナ国防省