ポーランドはロシア発射のミサイルや無人機をウクライナ領空で撃墜する義務がある=ポーランド外相

ポーランドのシコルスキ外相は、同国はポーランド領へと向かって飛翔するロシアのミサイルや無人機をウクライナ領空で撃墜する義務があると発言した。

シコルスキ外相がフィナンシャル・タイムズへのインタビュー時に発言した

シコルスキ氏は、「NATOに加盟したことで、個々の国の自国の領空防衛の責任はなくならないし、それは私たちの憲法上の義務である。私の個人的意見では、敵のミサイルが私たちの領空への軌道にある場合は、それ(編集注:ウクライナ領空でミサイルを撃墜すること)は合法的な自衛行為である、というものである。なぜなら、それらが私たちの領空に入ったら、破片で誰かを傷付けるリスクは甚大となるからである」と発言した。

なお同氏は、8月26日にロシアの無人機がポーランド領空を侵害したとされる事件があってから(機体はまだ捜索中)、ウクライナ領空でロシアのミサイルを撃墜する権利を主張している。

その際同氏は、防空システムが迎撃をするミサイルが目標へ近付けば近付くほど、ポーランドで犠牲者が出るリスクが高まるとし、ウクライナ領空で撃墜する方が良いと主張しており、またウクライナもそのアイデアを肯定的に見ていると話している。

ポーランド外務省の立場は、ポーランド国防省の立場と異なる。例えば、ザウェフスキ・ポーランド国防次官は、8月30日のブリュッセルでの欧州連合(EU)非公式国防相級会合の後、ポーランドの防空はウクライナ領空でミサイルや自爆型無人機を撃墜しないと発言している。その際同氏は、EUと北大西洋条約機構(NATO)の加盟国は「戦争の当事者ではない」と発言。同時に、ポーランドは、ウクライナの防空能力の著しい強化を支持している。

ザウェフスキ氏は、ポーランドはロシアのミサイルや無人機をポーランド領で撃墜する可能性を、二国間を含め、一切のフォーマットで検討していないと述べている。