国営プリヴァト銀行、第一審で敗訴 裁判所はスルキス兄弟へ3億5000万ドル支払い命令 財務省は控訴へ
キーウ(キエフ)市ペチェルシキー地区裁判所は、国営プリヴァト銀行に対し、スルキス兄弟所有企業へ3億5000万ドルを支払うよう命じる判決を下した。財務省は、控訴を行うと発表した。
2日、財務省広報室が公表した。
発表には、「財務省は、銀行からの3億5000万ドル徴収に関する訴訟において、スルキス兄弟の企業にとっての勝訴となるペチェルシキー裁判所の判決に同意しておらず、国家と銀行の利益を防衛し続けていく」と書かれている。
また、シュミハリ首相もフェイスブック・アカウントにて、本件につき控訴を行うことを認めた。首相は、ペチェルシキー裁判所の判決は、手続法の規範に反し、訴訟内容が実質的に審議されないまま採択されたと発言した。また首相は、今回の判決はプリヴァト銀行国営化には関係のないものだと指摘した。
加えてマリューシカ司法相は同日、本件につき「ウクライナの司法史上で最大のばかげた出来事の一つが今日ペチェルシキー裁判所にてヴォウク裁判官(編集注:汚職容疑のかけられているキーウ区行政裁判所裁判長)の指示で生じた」とフェイスブック・アカウントに書き込んだ。
司法相は、「プリヴァト銀行がその資金支払いの罪があるのかどうかの確立もなく、時効を迎えていないかどうかの確立もなく、本件の事実の確立も一切なく(判決が下された)。私は、本件の正義は回復されると確信している。しかし、その後、裁判所への信頼はどうやったら回復できるのだ?」と書き込んだ。
なお、2016年12月18日、閣僚会議(内閣)は、プリヴァト銀行の国営化を決定していた。その後、2017年5月17日、キーウ区行政裁判所は、プリヴァト銀行とスルキス一家に属する人々を関連付ける中央銀行の決定を違法とするとし無効化している。スルキス一家及びその関係者は、中央銀行を相手とする42の提訴を行っていることがわかっている。