クリミア・タタール代表機関、民族自治法案の議会登録を要請

クリミア・タタール民族代表機関「メジュリス」は、憲法改正法案、民族自治法案、先住民法案を最高会議(国会)に登録するよう要請する声明を採択した。

20日、メジュリス代表のチュバロフ氏が、同声明をフェイスブック・アカウントに掲載した

声明には、「これら法案が採択・履行されれば、黒海・アゾフ海沿海、ケルチ海峡・シヴァーシュ湾を含め、ロシア連邦が一時的に占領するクリミア領の領土・領海に関係し、クリミア先住民であるクリミア・タタール民族の権利と利益を制限するような国家の合意、決定、行動はいかなるものも、違法となり、同分野でクリミア・タタール民族の参加なく締結される合意は、国際法の要件に反するものとなる」と書かれている。

メジュリスは、ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領に対して、憲法委員会作業部会が作成した法案3本、「ウクライナ憲法第10章『クリミア自治共和国』改正法案」、「クリミア・タタール民族地位法案」、「ウクライナ先住民族法案」を速やかに最高会議に登録するよう要請している。

なお、クリミア自治共和国のステータスに関する憲法第10章の改正案を準備する憲法委員会作業部会は、2017年5月に設置されている。同作業部会には、当時の最高会議全会派の代表者、法律専門家、メジュリス代表者が参加していた。同作業部会は、2018年4月に憲法改正法案の作成作業を終了している。

ゼレンシキー大統領は、クリミア・タタール民族の指導者として知られるムスタファ・ジェミレフ最高会議議員(欧州連帯党)と会談した後、ジェミレフ氏は大統領がクリミア・タタール民族自治区設置のアイデアを支持すると述べたと伝えていた。

その後、大統領は、クリミア・タタール民族に自治を与えることは、クリミア先住民をサポートする手段の一つであるが、他方で、クリミア脱占領を容易にすることには繋がらないのではないかとの考えを示している。

11月13日、アントン・コリネヴィチ・クリミア自治共和国大統領常任代表は、クリミア・タタール自治問題は、現在社会は何の話が理解できていないとし、より大きな議論が必要であると発言していた。