EU、ロシアによるクリミアへの鉄道網建設を非難
欧州連合(EU)は、ロシアによるケルチ海峡を通じた鉄道網の開通はウクライナの領土一体性と主権の更なる侵害行為であると指摘した。
23日、EUの対外行動庁ウェブサイトに報道官声明が掲載された。
声明には、「ロシア連邦は、ウクライナとの同意なく、ケルチ橋の鉄道部分の建設を終わらせ、クリミア半島との鉄道網を開通させた。これは、ウクライナの主権と領土一体性に対するロシアの更なる侵害行為である。鉄道網は、ロシアによる違法併合下クリミアの強制的統合に向けた更なる行為であり、ウクライナ領の一部であり続けているクリミアを同国から更に孤立させることを目的としたものである」と書かれている。
声明にはまた、建設された橋がケルチ海峡を通ってアゾフ海沿岸のウクライナの港に向かう船舶の航行を制限していることが喚起されている。EUは、ロシアに対して、国際法に従い、ケルチ海峡を通じた自由かつ障害のない航行を保障することへの期待を表明した。
更に、「EUは、ウクライナの国際的に認められた国境内での独立、主権、領土一体性を完全に支持していることを再確認する。EUは、ロシアによるクリミア半島の違法併合を認めていないし、今後も認めることはない」と書かれている。
これに先立ち、12月23日、ロシアのプーチン大統領がケルチ海峡にかけられた橋を通じた鉄道網開通を発表した。プーチン氏は、鉄道により、被占領下ケルチから、ロシア領のタマン駅へと移動した。
同日、クリミア自治共和国ウクライナ大統領代表部が、ロシアの行動は違法であるとの声明を発出しており、クリミアとの移動は、ウクライナ側との同意を得た上で、ヘルソン州の指定の3地点のみを利用しなければならないことを喚起した。
ウクライナ外務省は同日、声明を発出し、ロシアによる同橋を巡る行動が、1982年付国連海洋法条約、二国間条約の定めるウクライナに対する義務に著しく違反していることを強調した。