憲法裁、ゼレンシキー大統領の裁判改革案の合憲性審議の判決発表 多くの項目を違憲判断
憲法裁判所は、最高裁判所が提出した、裁判機構・裁判官地位に関する合憲性判断案件に関する判決を公開した。
11日、憲法裁判所広報室が判決をウェブサイトに掲載した。
憲法裁の審議対象となったのは、最高裁が提出した案件であり、2016年6月2日付の裁判機構・裁判官地位法(第1402-第8最高会議)、2019年10月16日付の同法及びその他司法自治機関関連法への改正法(第193-第9最高会議)(編集注:ゼレンシキー大統領提案法)、2016年12月21日付の最高司法評議会法(第1798-第8最高会議)の複数項目の合憲性判断をあおぐものである。
憲法裁判所は、この3法の複数の項目を違憲と判断した。
とりわけ、ゼレンシキー大統領の提出した関連改正法(第193)のうち、移項期の条件について書かれた第2章の第4、5、6、7、9、10条の他、同法にて改正された最高司法評議会法(第1798)の複数条項も違憲と判断されている。
憲法裁判所は、最高会議に対して速やかに今回の判決を法律に反映するよう勧告した。
また、ウクルインフォルムは、関係者から、憲法裁判所は、最高裁判所裁判官数を200名から100名に変更し、給与も減額することを定める法改正に対しても違憲判決を下したとの情報を得ている。
なお、これに先立ち、2019年10月16日、最高会議は、ゼレンシキー大統領提案の「司法自治機関活動に関する複数法律への改正法」を採択していた。同法の改正対象は、前最高会議が採択した、裁判機構・裁判官地位法、政権浄化法、高等司法評議会法であった。
とりわけ、この改正は、最高裁判所の裁判官数を現行の200から100に減らし、給与も減額(14万5200フリヴニャから10万6480フリヴニャに減額)することを定めていた。
同改正はその他、高等司法評議会と高等裁判官選考委員会を構成するメンバーに対して、高い基準の公正さと倫理を遵守させることを目的とした、公正倫理委員会の設置を定めていた。
また、政権浄化対象者の拡大も定めており、2013年11月21日から2019年5月19日の期間に、高等裁判官選考委員会と国家裁判運営の幹部となっていた人物の解任を規定していた。
昨年11月、最高裁判所は、この裁判改革関連法の合憲性の審査を憲法裁判所に対して要請していた。