露、ケルチ海峡の通行制限を発表 ウクライナ外務省が抗議
ウクライナ外務省は、黒海とアゾフ海を結ぶケルチ海峡の航行の自由を制限するロシアの決定に強い抗議を表明した。
15日、ウクライナ外務省が声明を発出した。
ロシア連邦は、来週から2021年10月まで、黒海海上のケルチ海峡方面の一部を外国の艦船と軍事演習関連の船舶に対して閉鎖すると発表していた。
これに対して、ウクライナ外務省は、声明にて「ロシア連邦のそのような行動は、国際法の規範・原則に違反する形で、沿岸国であるウクライナの主権的権利を収奪するさらなる試みである。なぜなら、ウクライナこそが、黒海のその海上の航行を規制する権利を持っているからである」と強調した。
外務省は、その行動は、国連海洋法条約(UNCLOS)の保証する航行の自由の権利を著しく侵害するものであると指摘し、同条約に従えば、ロシアは国際海峡を通じたアゾフ海の港湾への輸送航行を妨害したり邪魔したりしてはならないと強調した。
また声明には、「陸上のウクライナ国境沿いでの軍事プレゼンスの長期的増強を背景に、ロシアは、海上でのエスカレーション強化を始めた。ロシアは、カスピ海から艦船を移動させており、アゾフ海・黒海地域の軍事潜在力を高めており、さらには、法的根拠がないにもかかわらず、ウクライナをはじめとする他国の艦船に対してその海上を閉鎖することを決定したのである」と指摘されている。
外務省は、ロシアの振る舞いは、ウクライナに対する軍事手段・ハイブリッド手段を使った侵略継続をやめるつもりが全くないことを示していると述べた。
声明には、「ウクライナ外務省は、ロシア連邦のこの行動に対して断固たる抗議を表明しており、黒海の複数海上の違法閉鎖の決定を速やかに無効化するよう要求している」と書かれている。
さらに外務省は、国際パートナーに対して、ロシアに今回の決定を無効化し、アゾフ海・黒海地域の激化を止めさせることを目的に、侵略国ロシアに対して政治・外交的圧力を強化するよう要請している。