米国、ウクライナ政府のナフトガス社幹部交代の決定を批判

米国は、ウクライナ政府が国営ナフトガス・ウクライナ社の幹部を交代したことにつき「深い懸念」を表明しつつ、手続きルールの抜け穴を利用した抜け目ない行為だと指摘した。

29日、ネッド・プライス米国務報道官が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

プライス報道官は、「私たちは、ウクライナの閣僚会議(内閣)による、同国主要エネルギー企業の監査委員会を解散し、トップを交代させるために、現行ルールを弄んだ最近の行動に深く懸念している」と発言した。

同報道官は、本件を「複数の重要複数国営企業の取締役会から尊敬を集める専門家を追い出すことを目的にした、手続き上の抜け穴を用いる抜け目ない行為」だと指摘した。報道官はまた、この行動につき、ウクライナ政府が「公正で透明なコーポレート・ガバナンスの慣習を無視しており、ウクライナのエネルギー分野で続く改革と投資環境改善に向けた努力を複雑にしている」と批判した。

同時に報道官は、今回の件は、ウクライナによるベスト・プラクティスを無視する事例の一つに過ぎないと指摘し、そのような無視はウクライナにおける経済発展へのリスクを生み出していると発言した。

報道官は、「私たちは、ウクライナを支え続けるし、同国の機構を強化し続けるし、そこには民主機構の発展や、コーポレート・ガバナンス改革も含まれる。しかしながら、ウクライナの首脳陣もまた、自らの仕事を行わなければならない」と強調した。

なお、同報道官は、本件につき、ツイッター・アカウントにもコメントしている。

これに先立ち、28日、ウクライナ内閣は、国営ナフトガス社のアンドリー・コボリェウ総裁を解任し、ユーリー・ヴィトレンコ・エネルギー相代行を新総裁に任命していた。解任されたアンドリー・コボリェウ氏は、2020年3月に内閣によりナフトガス社総裁職の任期を4年間延長されていた。