ゼレンシキー大統領、ドイツ緑の党共同党首と会談
ヴォロディーミル・ゼレンシキー・ウクライナ大統領は24日、ウクライナを訪問しているドイツの同盟90/緑の党のロベルト・ハーベック共同党首と会談した。
ウクライナ大統領府広報室が伝えた。
発表によれば、ゼレンシキー大統領とハーベック緑の党共同党首は、ウクライナの欧州統合を議論し、その際ゼレンシキー大統領はドイツがウクライナの欧州展望(編集注:EU加盟の展望の意)について政治的シグナルを出すことが需要であると指摘した。
ハーベック共同投手は、ウクライナの欧州統合路線の実現の道における努力を肯定的に評価し、緑の党は同問題にて建設的な連携を行う準備があると指摘した。
また両者は、独露間で建設が進む新ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の実現によって生じ得るリスクについても協議を行なった。両者は、「ノルド・ストリーム2」が経済的プロジェクトではなく、地政学的プロジェクトであるとの点で同意した。
加えて両者は、欧州の平和と安定にとっての危険を生み出しているロシアの攻撃的行為は看過できないと指摘し、とりわけ、最近のウクライナ国境へのロシア軍集結を指摘した。
ゼレンシキー大統領は、ウクライナ東部の治安情勢とウクライナ国境へのロシア軍の集結によるリスクについて報告した。大統領はまた、ウクライナが平和達成のために行なっている行動についても説明し、ハーベック氏のウクライナ東部のコンタクト・ライン訪問の決定を歓迎した。大統領は、「あなたの決定を高く評価している。あなたは自らの目でロシアの対ウクライナ侵略の真の様子を見ることができるのだ。私は、あなたがドンバスで目にしたことが、あなたの政治勢力による対ウクライナ支持の強化を促すことになることを期待している」と発言した。
両者はまた、ドイツ議会選挙の選挙戦の動向について協議を行なった。ゼレンシキー大統領は、有権者による緑の党支持の増加に注意を向けつつ、緑の党をはじめとする、ドイツのあらゆる政治勢力とさらに実りある協力が行えることを期待していると表明した。
さらに両者は、エネルギー分野における協力についても協議を行った際、欧州グリーン・ディールを支える共同プロジェクトを実現することや、ウクライナ・ドイツ間エネルギー・パートナーシップの枠内での協力に関心を表明した。
その他、ゼレンシキー大統領は、ツイッター・アカウントにて、今回の会談につき、「ウクライナにて緑のロベルト・ハーベック共同党首を歓迎している。ドンバス問題への注意とコンタクト・ライン訪問の意図に感謝している。ノルド・ストリーム2建設に関係するリスクについて協議した」と伝えた。
これに先立ち、ドイツの緑の党共同代表を務めるロベルト・ハーベック氏が、5月23日から27日にかけてウクライナを訪問することが発表されていた。
なお、現在ドイツでは、緑の党が9月の議会選に向け、支持率を伸ばしており、選挙後に与党となる可能性が大きいと見られている。同党は、ハーベック氏の推薦したアンナレーナ・ベーアボック共同代表を首相候補に選出している。
写真:大統領府