クリミア・タタール人拘束で欧米がロシアを非難
ロシアが占領するウクライナ領クリミアにて、9月3、4日、占領政権当局が先住民クリミア・タタール人の複数の民家に家宅捜索を行い、住民5名を拘束し、その後被拘束者の所在を確認するために集まった数十名の住民もさらに拘束した件につき、米国や欧州連合(EU)及び同加盟国がロシアを非難するメッセージを発出している。
5日、米国務省は、報道官声明を発出し、「9月4日、クリミアにて、クリミア・タタール民族代議機関『メジュリス』のナリマン・ジェリャル副代表、及び少なくとも45名のクリミア・タタール人のロシア占領政権による拘束を強く非難する。私たちは、ロシア占領政権に対して、彼らを速やかに解放するよう要請する」と伝えた。
7日、EUの欧州対外行動庁は、報道官声明を発出し、「EUは、9月3、4日に、違法併合下クリミアにて、ロシアにより行われ、ロシア政権による5名のクリミア・タタール人指導者(エリダル・オダマノフ、アジズ・アフテモフ、ナリマン・ジェリャル、シェヴケト・ウセイノフ、アサン・アフテモフ)とさらに最大50名の拘束をもたらした家宅捜索を非難する。EUは、これら逮捕を、政治的動機を持った、国際法に照らして違法なものとみなす」と伝えた。
6日、ウェンディー・モートン英国欧州近隣アメリカ担当国務大臣は、ツイッター・アカウントにて、「英国は、ナリマン・ジェリャル・クリミア・タタール民族代議機関『メジュリス』副代表含む5名のクリミア・タタール人の拘束を非難する。私たちは、ロシア政権に対して、彼らと全てのウクライナ国民政治囚を解放するよう要請している」と書き込んだ。
7日、在ウクライナ・カナダ大使館は、ツイッター・アカウントにて、「カナダは、ナリマン・ジェリャル氏及び4名のクリミア・タタール人をロシア連邦保安庁(FSB)が拘束したことを非難する。ジェリャル氏たちは、単に表現の自由と集会の自由の権利を行使していただけだ」とし、ロシアに対して、これら5名と全てのウクライナ国民政治囚を解放するよう要請した。
その他、チェコ、エストニア、ラトビア、リトアニア、トルコの外務省・大使館が関連メッセージを発出している。
これに先立ち、3、4日、被占領下ウクライナ領クリミアにて、ロシア占領機関当局が複数の先住民クリミア・タタール系住民の自宅で家宅捜索を行い、ナリマン・ジェリャル「メジュリス」副代表はじめ、計5名を拘束していた。その後、シンフェローポリ市では、この5名被拘束者の所在を把握しようと集まった住民約60名が占領機関治安当局に数時間にわたり拘束された(その後、2名を残し、残りは解放された)。
ロシア占領政権のシンフェローポリ氏キエフ地区裁判所は、ナリマン・ジェリャル・メジュリス第一副代表、アジズ・アフテモフ氏、アサン・アフテモフ氏に対して、11月4日までの2か月間の拘禁措置を言い渡している。
ゼレンシキー大統領は、同拘束につき、クリミア・プラットフォームの活動開始に対するロシアの反応であるとしつつ、被拘束者を速やかに解放するよう要求している。
写真:レファト・チュバロフ最高会議議員フェイスブック・アカウント