独大統領、バービン・ヤール式典にて「今日ここにいることが大切」

シュタインマイヤー独大統領は6日、ナチス・ドイツによる占領下キーウ(キエフ)でのユダヤ人を中心とする民間人の大量殺害「バービン・ヤール(バービー・ヤール)」の80年経過に際して、キーウにて開催された追悼式典への出席の重要性に言及した。

ウクルインフォルムの記者が伝えた。

シュタインマイヤー氏は、「ドイツ人にとって、ドイツ連邦大統領にとって、ここ、バービン・ヤールへの道は重たいものである。同時に、私は、今日ここにいられることに感謝している」と発言した。

同氏は、ドイツ人の記憶において、ウクライナで起きたホロコースト期の出来事は然るべき地位を占めていないとして、「キーウ、オデーサ、ベルディチウ、チェルニウツィー、ミゾチ、その他多くの町での出来事。私の国、ドイツにおいて、誰がそこでのホロコーストについて現在知っているだろうか。誰が、血を流した人々の名前を知っているだろうか。これらの場所は全て、私たちの記憶の中で然るべき地位を占めていない。ウクライナは、私たちの記憶の地図にて、あまりにも薄く、あまりにも大雑把に描かれている。そのため、私にとって、今日ここにいることは大切なのだ」と強調した。

同氏はまた、頭を下げて心からの冥福を行うと同時に、和解への深い感謝を感じているとも伝えた。

なお、バービン・ヤールの悲劇とは、1941年9月29、30日、ナチスに占領されていたキーウのバービン・ヤールにおいて、ユダヤ系住民を中心とした民間人に対する最初の大量銃殺が行われたことに始まる一連の事件を指す。最初の2日間で約3万4000人、そして、同年10月11日までに、5万人強の市内のほぼ全てのユダヤ系住民が殺害されている。ウクライナでは、9月29日がバービー・ヤール犠牲者追悼の日と定められている。

6日の式典には、ゼレンシキー大統領、ヘルツォグ・イスラエル大統領、シュタインマイヤー・ドイツ大統領が出席した他、ジョージア国会議長、スウェーデン国会議長など、各国の代表者が参加した。