露によるクリミアでの国勢調査実施、ウクライナ外務省が非難
ウクライナは、ロシア連邦による一時的被占領下ウクライナ領クリミアにおける国勢調査の実施を非難するとともに、国際社会に対して結果を認めたり使用したりしないよう要請している。
15日、ウクライナ外務省広報室が声明を発出した。
外務省声明には、「ロシア連邦のそのような行動は、ウクライナの国家主権と領土一体性に反するものであり、また一時的占領下クリミアの併合の試みを正当化し、同地にロシア国内法の効力を適用しようとする試みの延長である。国勢調査を一時的占領地にて実施することは、私たちの国家に対する非友好的な行為であり、私たちは報復実施の権利を留保する」と書かれている。
また外務省は、国連総会第68/262決議に従い、2014年3月16日にロシア占領政権がクリミアにて実施したいわゆる「住民投票」は法的効力を有しておらず、クリミア半島の地位変更のいかなる根拠にもなり得ないことを喚起しつつ、具体的には、その「住民投票」が、占領下クリミアで行われる国勢調査の結果をロシア全土での国勢調査の一部として反映させるための根拠とはならないと指摘している。
加えて外務省は、クリミア・プラットフォームの参加国が共同宣言において、ウクライナ領の不可分の領土であるクリミア自治用和国とセヴァストーポリ市のいかなる地位変更も認めないことを改めて確認したことを喚起し、またこれら参加国が法の支配に基づいた国際秩序を一方的に変更しようとする試みに断固として対抗していると伝えた。
さらに外務省は、クリミアの状況を評価する際の基本となり得るのは、ウクライナ国内法と国際法規範に従って活動する関連マンデートを有する国際機関、あるいは人権保護NGOによる、偏見のない客観的な監視活動のみだと強調した。
その上でウクライナは、国際社会に対して、ロシアによる一時的被占領下ウクライナ領における露全国国勢調査の実施を非難し、それを承認せず、また結果を使用しないよう呼びかけた。
なお、ロシア連邦は、2021年10月15日から11月14日まで2010年以来となる国政調査を実施する。その際、ロシアは、一時的占領下ウクライナ領クリミア自治共和国・セヴァストーポリ市においても、国勢調査を実施しようとしている。