「プーチンは現在西側が弱く、決断力がないと確信している」=クレーバ宇外相
ウクライナのクレーバ外相は、ロシアは現在ジョージアやウクライナに対して行ったのと同様、再び力で国境を越え、冷戦後の欧州の安全保障体制を弱体化しようとする恐れがあると発言した。
29日、クレーバ外相が外国報道機関を対象としたオンライン記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
クレーバ氏は、「最悪のシナリオは、ロシアが冷戦後にできた欧州の安全保障体制を弱体化しようと試みる可能性だ。そして、2008年のジョージアに対して行ったことや、2014年にウクライナ領クリミアを占領し、ウクライナ東部ドンバス地方で戦争を開始したのと同様に、再び力で国境を越える恐れだ」と発言した。
同氏は、現在、ロシアは西側が弱く、決断力がないと思っているために、そのような試みを行う可能性があるのだとし、「私たちの欧州の重要なパートナーであるドイツとフランスは、現在国内情勢に集中している。ドイツでは最近選挙があったし、もうすぐフランスでも選挙が行われる。ロシアの地政学的プロジェクトである天然ガスパイプライン『ノルド・ストリーム2』は認証の段階にある。ウラジーミル・プーチン氏は、西側は、特に現在、弱く、決断力がないと確信しているのだ」と強調した。
その上で同氏は、国際社会に対して、プーチン露大統領に対してその考えが誤りであることを証明するよう呼びかけた。同時に同氏は、ロシアを抑止することを目的とした、政治、経済、安全保障の3つのレベルからなる方策パッケージを提示した。
クレーバ氏は、政治レベルの方策とは、ロシアがウクライナの領土一体性と主権に対して更なる行動をとった場合の代償が大きいものとなること、国際社会はロシアの行動に対して速やかに対応することについて、明確なシグナルを出すことだと説明した。
同氏は、経済レベルの方策とは、対露特別経済制限措置(制裁)に関して大西洋間コミュニティ内での議論を開始することだと説明した。そして、第3の安全保障の方策は、安全保障・防衛分野でウクライナとの協力を強化することだという。
そして、クレーバ氏は、「ウクライナが強くなればなるほど、ロシアがウクライナに対して大規模な軍事侵攻を開始する可能性は小さくなる。強固なウクライナは、対ロシア抑止方策なのだ」と強調した。