国連総会、クリミア軍事化決議を採択 日本も賛成
9日、国連総会は、「クリミア自治共和国・セヴァストーポリ市(ウクライナ)及び黒海・アゾフ海の一部の軍事化問題」決議を採択した。同決議の採択は、2018年以降4年連続となる。
賛成したのは63か国、反対は22か国、保留は55か国(日本は、パネルでは無投票と表示されているが、代表者が投票後に賛成を表明しており、書簡により投票行動を変更するという)。ウクルインフォルムのニューヨーク特派員が伝えた。
反対したのは、ロシア、アルメニア、ベラルーシ、ボリビア、カンボジア、中国、キューバ、北朝鮮、エリトリア、エチオピア、イラン、キルギス、ラオス、マリ、ミャンマー、ニカラグア、フィリピン、セルビア、スリランカ、シリア、ベネズエラ、ジンバブエ。
クリミア軍事化決議は、2018年以降毎年採択されており、その都度内容が更新されている。今年の決議には、クリミア・プラットフォームとその宣言への言及が加えられた。
決議には、「占領国であるロシア連邦に対して、速やかに、完全かつ、無条件に、自らの軍をクリミアから撤退させ、遅滞なくウクライナ領の一時的占領を終結させることを強く呼びかける」と書かれている。
さらに国連総会は、クリミアが漸次的に軍事化されていることに深刻な懸念を表明し、とりわけ、ロシア領からウクライナ領クリミアへと、核兵器搬送可能な航空機を含む各種軍事機器・兵力が投入されていることが指摘された。
また、決議では、ロシア連邦による、被占領下クリミアの住民の占領軍(ロシア軍)への徴兵、とりわけ、ロシア領への動員は国際人道法に対する違反であり、看過し得ないと強調されている。関連して、ロシアに対して、クリミアにの児童に対するロシア軍への軍役準備に向けた教育を行うことを控えることが呼びかけられている。
その他、黒海・アゾフ海・ケルチ海峡の個別海域の封鎖、国際法の違反となる意図的な航行の妨害、クリミアの黒海艦隊の軍事基地の拡大、地域における軍事演習の実施、ケルチ海峡への橋の建設といった占領政権の行為が非難されている。
国連総会は、全ての国家と国際機関に対して、ウクライナ政権の同意のないクリミアへのあらゆる訪問を控えるよう要請している。
同決議の採択に関して、ドミトロー・クレーバ宇外相は、ツイッター・アカウントにて、賛成を投じた国々に対して謝意を伝えた。外相は、「同決議に賛成した全ての国連加盟国に感謝している。同決議は、クリミア・プラットフォームへの国際的サポートとその目的をまとめるものであり、進行するクリミア軍事化に対抗し、私たちの国国境沿いとクリミアにおけるロシアの軍事プレゼンスの増大が続く中、同国へと抑止のシグナルを送るものである」と伝えた。