「ウクライナにおける紛争はプーチンがクレムリンを去らない限り続く」=オーストリア専門家
露クレムリンが始めたロシア・ウクライナ武力紛争は、少なくとも「プーチンがクレムリンを立ち去らない限り」続くだろう。
オーストリアの政治専門家マルティン・マレク氏は、このように考えている。マレク氏がウクルインフォルムへのインタビュー(リンク先はウクライナ語)時に発言した。
マレク氏は、現在のロシア・ウクライナ紛争につき、「私たちの(オーストリアの)政治家たちは、言うまでもなく『あらゆるフォーマットで協議をしなければいけない』『さらに色々なコンタクト・グループを作ることも可能だ』などと言うだろう。しかし、それを作ってどうするのだ? これまで7年間、何も変わらなかったのだ。物事は、事実に即して話さねばならない。その紛争は、少なくとも(本人注:『少なくとも』という点を強調する)プーチンがクレムリンを立ち去らない限りは続くだろう」と発言した。
同氏は、プーチンが権力を離れた後にのみ、「ようやく、確実とは言えないものの、何らかの平和的情勢解決を見出す展望が生じ得る」のだと指摘した。「しかし、それまでは無理だ。私は、長らくそれら全ての旧ソ連紛争を分析し、現地へ赴いてきた。その経験から、私が言えることは、それ(その解決)には長い年月を要する、ということだ」と強調した。
また同氏は、2014年に始まったロシアのウクライナに対する行動は「軍事介入」以外には呼びようがないと発言した。「それは軍事介入である。それ以外に何と言えようか。ある国が、別の国に、その国の合意を得ずに軍を派遣した場合、それを他にどのように呼ぶことができようか」と発言した。
同時に同氏は、残念ながらオーストリアでは多くの人々が、そのロシア軍派遣の事実を理解していない、あるいは、「理解していないふりをしている」と指摘した。そして、「しかし、実際は全てはっきりしている。プーチンがウクライナに侵攻し、同国の領土を奪った。そのように言ってはならないとでも言うのだろうか。しかも、その侵攻は現在も続いている。しかし、その代わりに、例えば、ここ数日、オーストリアのテレビラジオ局ORFのウェブサイトでは、『ほら、ロシアが現在ウクライナとの国境に軍を集結させている、ロシアがウクライナに軍を派遣するかもしれない危険がある』などと書かれた記事を目にするのだ。そういうものを読みながら、私は『オーストリアでは、それ(軍派遣)はプーチンが7年前にすでに実行したことであることをいまだに理解していないのだろうか?』と思うのだ」と発言した。
同氏は、オーストリアの多くの人にとって、ウクライナでは「内戦」が生じていると思っておく方が楽なのだと指摘し、なぜなら、「内戦」だと呼んでおけば「プーチンという絶大な要因について話さなくても済むからだ」と説明した。同氏は、そのような人々は「どうして私たちがプーチンとけんかをしなければならないのだろうか。喧嘩したところで何も得られない。プーチンは自分の考えを変えない。であれば、そのことは忘れて、金を稼いだ方が良いのでは?」と考えているのだと指摘した。