ロシアの課題はクリミアの人口構成を変更すること=人権保護団体
クリミア住民の人権保護活動を行っている市民団体「クリミア人権保護グループ」は、ロシア連邦は占領するクリミアの人口構成を変えるための諸方策を実行していると指摘した。
オリハ・スクリプニク・クリミア人権保護グループ代表が発言した。ニュースサイト「真実のクリミア」が報じた。
スクリプニク氏は、「ロシア連邦の戦略的課題は、(クリミアの)人口構成を変えることだ。物理的にも、意識の面でもである。私たちが確認できている内、軍事関係者の移住がその一つの方向性である。軍人や、法執行機関関係者のことだ。さらに、ロシアは同地を形式的に自国領だとみなしていることから、彼らは出張としてではなく、恒常的な仕事として配置されている。つまり、家族とともに移住してきているわけだ。一人の露連邦保安庁(FSB)職員であれば、実際には、配偶者と子供を連れてくるために、移住数は3人となる」と発言した。
同氏は、ロシアでは、クリミアへの移住を推奨するプロパガンダと直接的な宣伝が続けられていると指摘した。
また同氏は、「重要な傾向は、ロシアが親ウクライナ的な住民層を壊滅させ、抑圧しようとしていることだ」と指摘した。
さらに同氏は、ウクライナにて、戦争犯罪法が成立すれば、被占領下クリミアの人口変更の状況を捜査したり、記録したりすることが容易になると指摘した。同法は、すでにウクライナ最高会議(国会)にて採択されているが、大統領がすでに半年間にわたり署名をしていないという。
なお、これまでにも国連事務総長による人権報告書や、国連総会クリミア人権決議にて、ロシアはがクリミアの人口構成を変更することを目的に、ロシア国民を被占領下クリミアへ移住させたり、半島の住民の国籍を強制的に変更させたりしていることが報告されている。