欧州議会、EUにロシア発エネルギーの完全禁輸を要求
欧州議会は7日、欧州連合(EU)に対して、ロシアからの石油、石炭、核燃料、天然ガスの輸入を完全に禁止することを要求する決議を採択した。
投票結果は、賛成513票、反対22票、棄権19票だった。欧州議会ウェブサイトにて発表された。
同決議にて、議員たちは、「ロシアからの石油、石炭、核燃料、天然ガスの完全禁輸」を含む、さらなる懲罰措置を要請した。
同時にその決定は、EUのエネルギー供給安全保証計画と「ロシアがウクライナの国際的に認められた国境内での独立、主権、領土一体性を回復させるための行動を取り、ウクライナ領から自国軍を完全に撤退させた場合に、それら制裁を解除するという」戦略が付随しなければならないと指摘されている。
欧州議員たちはまた、現行の対露制裁は、完全かつ効果的にEU全体と国際同盟国によって優先的に適用されなければならないと主張している。
加えて議員たちは、EU加盟国首脳たちに対して、ロシアをG20や国連機関や国際刑事警察機構から排除するよう要請した。
制裁に関しては、さらに議員たちは、ロシアの銀行のSWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除、全てのロシア関連の船舶のEU領海への入域や欧州の港の停泊禁止、ロシアとベラルーシとの車両輸送の禁止を要請した。
またロシアの政権幹部とプーチン政権と繋がりのあるオリガルヒ(大富豪)、ベラルーシのルカシェンコ政権と関連のある人物に属す全ての資産の凍結が呼びかけられた。
さらに、ベラルーシが現在の対ウクライナ戦争に参加していることから、抜け穴防止のために、対ベラルーシ制裁が対露制裁と合致するように要請された。
議員たちは、ロシア軍が実行している、ブチャをはじめとするウクライナでの戦争犯罪や、マリウポリ、ヴォルノヴァハといった自治体のほぼ完全な破壊を指摘し、ウクライナにおける戦争犯罪に罪がある者たちは、責任を負わされねばならないとし、国連の特別法廷の設置を呼びかけた。
その他議員たちは、ウクライナが自らを効果的に守るために、ウクライナへの武器供給が継続され、強化されるべきだと強調した。
さらに、議員たちは、約650万人のウクライナ国民が国内避難民となり、400万人以上が戦争により出国したことを指摘した。また、爆撃から逃れる民間人の避難のために安全な人道回廊の開設、ウクライナ国内の欧州人道支援ネットワークの強化が呼びかけられた。
議員たちはまた、ロシアが大量破壊兵器を使用するかもしれないと予想することが可能な同国のレトリックを非難し、大量破壊兵器はいかなる使用であれ、深刻な結果をもたらすことになると警告した。