「ウクライナための平和はウクライナの人々が思い描くようであるべき」との見方にEUの首脳たちが同意=ゼレンシキー宇大統領
ウクライナのゼレンシキー大統領は16日、同日の独仏伊ルーマニア4国の首脳との会談結果につき、彼らが、ウクライナにとっての戦争の終了と平和はウクライナの人々が思い描くようなものでなければならないと発言したことを報告した。
ゼレンシキー大統領が16日夜の動画メッセージで発言した。
ゼレンシキー氏は、「今日は本当に歴史的な日だ。ウクライナは一気に欧州の強力な国4か国からのサポートを感じ取った。具体的には、私たちの欧州連合(EU)への動きへのサポートだ。イタリア、ルーマニア、フランス、ドイツが私たちとともにある」と述べ、4首脳がウクライナへのEU加盟候補国地位付与を支持したことを喚起した。
また同氏は、「私にとって重要だったことは、首脳たちからもう一つの根本的なことを聞いたことである。彼らは、ウクライナにとっての戦争の終わりと平和は、ウクライナとウクライナの人々が思い描くようなものでなければならない、という点に同意していると述べたのだ」と発言した。
加えて同氏は、訪問した4首脳に対して個別に謝意のメッセージを伝えた。同氏は、イタリアに対しては、政治的サポート、マクロ財政・防衛支援につき謝意を伝え、「現在私たちは、史上最高の関係を有している。私は、私たちの国民にとってさらに非常に多くのことができると確信している」と発言した。
続けて、ルーマニアに対しては、「防衛支援、私たちの穀物をはじめとする物品の輸送の支援につき感謝している」と述べ、「ルーマニアの輸出能力を拡大することで合意した」と報告した。
ゼレンシキー氏はまた、「フランスは追加で榴弾砲『カエサル』を提供する。それは私たちの防衛にとって非常に重要だ。また今日、マクロン大統領は率直に『欧州の対ウクライナ支持は、私たちが一緒の同じ価値観と欧州を守っているのだと本当に感じられるようなものでなければならない』と話していた」と伝えた。
そして、同氏は、ドイツが防空システムとさらなる支援の提供を認めたと述べた。加えて、同氏は、ショルツ独首相本人にG7首脳会談への自身の招待につき感謝を伝えたと述べた。
その上でゼレンシキー氏は、「概して、会談から受けた私の印象は肯定的だ。全ての首脳が、どうして今、戦争終結の協議が行われていないかを理解している。それはロシアの立場のせいでしかない。欧州の人々皆を脅し、私たちの国を壊し続けようとしている、その立場のせいだ。彼らは平和への道を模索したがっていない。彼らは侵略者であり、侵略者が何よりも自分のために戦争を終わらせねばならないことを決意せねばならない」と発言した。
その他同氏は、同日の5か国首脳会合では、対露制裁、ウクライナ農産物輸出再開、戦後のウクライナ再建について協議したと報告した。
なお、16日、マクロン仏大統領、ショルツ独首相、ドラギ伊首相、ヨハニス・ルーマニア大統領がキーウを訪問し、共同記者会見時に4国がウクライナへのEU加盟候補国地位の付与を支持していると表明していた。