「ロシアは新しいタイプのハイブリッド世界戦争を始めた」=マクロン仏大統領

マクロン仏大統領は、アフリカ諸国訪問時、ロシアは最後の植民地帝国的国家の1つであり、同国は新しいタイプのハイブリッド世界戦争を始めたと発言した。

BFMTVがマクロン大統領の発言を報じた

ベナンにて、記者からロシアからの天然ガス供給の停止の可能性と欧州連合(EU)による同ガス消費削減決定の可能性について質問された際に、マクロン氏は「ロシアは最後の植民地帝国的国家の一つだ」と述べた。また同記者会見にて、マクロン氏は「ロシアは実質的に新しいタイプのハイブリッド世界戦争を始めた」とも発言した。

また同氏は、「ロシアは、情報、エネルギー、食糧を対ウクライナの大陸規模帝国戦争のための軍事手段とすることに決めたのだ」と指摘した。

その他、マクロン氏は、アフリカ訪問時、アフリカは「植民地帝国主義に苦しんだ」大陸だと表現しつつ、諸国に対して、ロシアが行う約束には注意するよう警告した。また同氏は、「ロシアは、隣国にある自らの利益を守るために、その国に侵攻することを決めた」と強調した。

さらに同氏は、ロシア・メディアが「民主的手段」のふりをして偽情報による攻撃をしていることに言及し、「ロシアは世界中で、プロパガンダ手段を最大限使っている国の1つだ。『RTフランス』と『スプートニク』は、資金元の政権当局のためにプロパガンダを拡散している」と指摘した。

同氏は、それもロシアの戦争遂行の主要な手段の一つだとし、そのため今次戦争を軍事力とソフトパワーの間の「ハイブリッド」なものだと形容した。

報道では、マクロン仏大統領が、今回のアフリカ訪問をかつてないほどにロシアの同大陸への影響力への対抗のために利用していると指摘されている。カメルーンやベナンといった国で食糧安全保障について協議した際に、マクロン氏は、ロシアからの脅迫を非難したという。

マクロン氏は、「彼ら(ロシア)がウクライナの穀物を封鎖して、規制をかけているのだ。食糧には一切制裁はかけられていない」と発言した。

その他同氏は、エネルギーもハイブリッド戦争の一要素となっていると指摘し、ロシアはエネルギーを欧州に対してためらうことなく利用していると強調した。同氏は、「私は、ロシアの責任感にアピールする」と発言した。

写真:大統領府