プーチン露大統領、占領するウクライナ領のロシアへの「編入」を表明
ロシア連邦のプーチン大統領は30日、ロシア武装集団「DPR/LPR」の支配するウクライナ東部ドネツィク・ルハンシク両州一部地域と2022年2月以降に制圧したウクライナ南部ヘルソン・ザポリッジャ両州一部地域をロシア領に一方的に「編入」する内容の文書に署名した。
署名式の様子が露雨局のユーチューブ・チャンネルで公開された。
ロシアの公式文書は、「ロシア構成への受け入れ合意」と名付けられている。署名の前に、プーチン氏は、37分間の演説を行った。その際同氏は、現在のロシアの侵略政策の主な主張を繰り返した。大クレムリン宮殿ゲオルギーの間で開催れた式典には、国会議員、閣僚、地域の幹部が出席していた。
またプーチン氏は、演説にて、ロシアはウクライナとの和平協議を行う準備があると述べたが、その際、ロシアが制圧した領土については協議対象とはならないと主張した。
同氏は、「私たちはキーウ政権に対して速やかに戦争を、全ての戦闘行為を、その2014年にキーウが始めた戦争を停止し、協議のテーブルに戻ることを呼びかける。私たちはその準備がある。それは何度も言われてきたことだ。しかし、ドネツィク、ルハンシク、ザポリッジャ、ヘルソンの民の選択は、協議しない。選択は行われたのであり、ロシアは選択を裏切らない」と発言した。
加えて同氏は、ロシアは自らの大地を「私たちのあらゆる現存する力と手段で」守っていくとも発言した。
これに先立ち、ロシア連邦のプーチン大統領は29日、ロシアによる偽「住民投票」後のウクライナ南部のヘルソン州とザポリッジャ州を「独立した領土」と承認する大統領令に署名していた。
なお、ポドリャク・ウクライナ大統領府長官顧問は、ロシアに占領されている領土で偽「住民投票」が行われようが、ロシアがそれらの地の「編入」を宣言しようが、核兵器使用で脅しをかけようが、ウクライナは全ての被占領地を取り返す決意を持っていると発言している。