米国、ラヴロフ露外相の「ウクライナとの協議提案」は「格好だけ」だと指摘
米国のプライス国務省報道官は11日、ラヴロフ露外相によるロシアとウクライナの協議可能性に関する発言が、ロシア軍のウクライナ各地へのミサイル攻撃の直後に行われたことを指摘した上で、その発言は本当の和平対話の意向ではない、「格好だけ」のものだと受け止めていると発言した。
プライス報道官が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
プライス氏は、「私たちは、それは格好だけのものと受け止めている。私たちは、それを、この残酷な侵略戦争を停止するために絶対に不可欠な対話や外交に加わろうという建設的で真っ当な提案だとはみなしていない」と発言した。
とりわけ同氏は、ラヴロフ氏のその発言がロシア軍によるウクライナの町々へのミサイル攻撃の直後に行われたとし、「その攻撃は、公園、学校、集合住宅、道路、暖房インフラを破壊した」と指摘した。その上で、同氏は、ラヴロフ氏の発言を評価する上ではその文脈が重要だと強調した。
プライス氏は、「私は、あなた方がその文脈に注意を向ければ、それが、ロシアの立場、格好だけの態度に関して知っておくべきあらゆることを示していることがわかる」と発言した。
これに先立ち、ラヴロフ露外相は、ロシアのメディアに対して、ゼレンシキー宇大統領がロシアとの協議に関する考えを変える可能性や、米国や英国がゼレンシキー氏に「命令する」可能性は排除しないなどと発言していた。
また、ニコレンコ外務報道官は11日、ラヴロフ露外相によるゼレンシキー宇大統領への発言に言及しつつ、ロシア現政権は協議のチャンスを失ったとの見方を示した。
9月30日、ゼレンシキー大統領は、ウクライナはロシアと対話を行う準備があるが、今とは別の大統領とだと発言していた。またゼレンシキー氏は、10月11日のG7首脳会談へ招待された際もプーチン氏とは一切の対話は不可能だと発言している。