国連総会、ウクライナの領土一体性決議採択 露の偽「住民投票」と「併合」試み非難

12日、国連総会は、ロシアが占領するウクライナ領にて実施した偽「住民投票」は法的効力を一切持たず、その地域の地位の変更の根拠にはならないとする決議を採択した。

国連総会決議「ウクライナの領土一体性:国連憲章原則擁護」が賛成143、反対5、棄権35で採択された。ウクルインフォルムのニューヨーク特派員が伝えた。

同決議の共同提案国は70か国。

日本や欧米諸国、トルコは賛成。東南アジア諸国やアフリカ諸国の多くも賛成した。反対した5カ国は、ロシア、ベラルーシ、北朝鮮、ニカラグア、シリア。中国は棄権、イランは欠席、ブラジルは賛成した。

今回採択された決議では、国際関係における、武力による威嚇または武力の行使を慎まねばならないという国連加盟国の義務を強調した上で、武力による威嚇または力の行使の結果としての領土獲得は一切合法として認められないことが喚起されている。

また、ウクライナ領ドネツィク州、ヘルソン州、ルハンシク州、ザポリッジャ州の一部がロシア連邦による侵略の結果として一時的に軍事的支配下にある/にあったことが指摘されており、その侵略はウクライナの主権と政治的独立と領土一体性の侵害であることが確認されている。また、ロシア政権当局による奪取した領土の併合の試みの決定は国連憲章原則と相入れないと指摘されている。

国連総会はまた、ウクライナの国際的に認められた国境内での主権、独立、統一、領土一体性へのコミットメントを確認した上で、ロシア連邦による「違法な『住民投票』と称するもの」の組織と、「ウクライナ領ドネツィク州、ヘルソン州、ルハンシク州、ザポリッジャ州の違法併合の試み」を非難している。

決議には、2022年9月23日から27日にかけての期間に、ウクライナ領ドネツィク州、ヘルソン州、ルハンシク州、ザポリッジャ州にて行われた偽「住民投票」に関するロシアの違法行動と、その後のそれらの地域の違法「併合」の試みは、国際法に従い一切の法的効力を有さず、これらウクライナの地域の地位のどのような変更の根拠ともならないと強調されている。

国連総会は、ロシアに対して、「速やかかつ無条件に」2022年2月21日と9月29日の占領する領土の地位に関する決定を無効化するよう、そして国際的に認められたウクライナ国境内のウクライナ領から全ての自国軍を「速やかかつ、完全かつ、無条件に」撤退させるよう要求している。

これに先立ち、10月10日と12日、ロシアによる占領下ウクライナ領内での偽「住民投票」不承認に関する決議案の協議が行われていた。

なお、2022年3月2日のロシアを非難した上で、同国にウクライナからの即時撤退を求める国連総会決議の投票時は賛成は141か国、2014年3月27日のロシアによるクリミア「併合」の不承認に関するウクライナ領土一体性決議の投票時の賛成は100か国だった。