プーチン露大統領、ギニアビサウ大統領を通じてゼレンシキー宇大統領に協議提案 ゼレンシキー氏コメント
26日にキーウを訪問したエンバロ・ギニアビサウ大統領が、ゼレンシキー宇大統領に対して、プーチン露大統領からの協議に関する提案を伝えていたことがわかった。これにつき、ゼレンシキー大統領は、その提案はロシア国内外の聴衆に向けたもの以上のものではないとコメントした。
ゼレンシキー宇大統領が、エンバロ・ギニアビサウ大統領との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「どのような対話であろうと、それを話すためには、一方の国が他方の国、その国の領土一体性、主権、国境を尊重しなければならない。私は、そのような非常にシンプルで基本的なことからあらゆることは始まると思っている。今のところ、それらは一つもない。そして、ロシア大統領の話したいという願望についてだが、私は、それは国内聴衆、及び自国と『ロシア』という名の国の間の政治をまだ孤立させていない国々の聴衆に効果をもたらす計画的レトリック以上のものではないと思っている」と発言した。
同氏はまた、エンバロ大統領に対して、ウクライナ情勢につき詳細に報告したとし、その際には「国家間の橋になるためには、片方の国でインフラを壊さないことが必要であるし、そうすれば、おそらく、将来何かしらにつき話すことはできるだろう」と伝えたと述べた。
さらに同氏は、「関係遮断の解消の必要性」については、少なくともウクライナの黒海の封鎖解除から始めるべきだと提案した。
加えて、同氏は、「第3に、皆が核の脅威の存在を恐れている。あなた方は、最近、皆が何らかの『汚い爆弾』について話しているのを知っている。そう、それらレトリックは全てロシア連邦から来ている。脅威は、完全に彼らから来ているのだ。彼らが、私たちの領土で私たちの原発を占拠し、水力発電所破壊の脅迫を行っているのだ。であれば、私たちはの状態はなるべくしてなっているのである」と強調した。
この発言に先立ち、エンバロ・ギニアビサウ大統領は、ゼレンシキー氏のことを「兄弟」と呼び、自身がロシアを訪問した際に、プーチン露大統領からメッセージをたくされたことを伝えたと述べた。そして同氏は、そのメッセージは「食糧安全保障にとって重要なもの」であり、「協議の準備に関する」ものだと発言した。エンバロ氏は、「彼(プーチン氏)は、私に、『私はゼレンシキー大統領と協議を行う準備がある』と言っていた」と述べた(編集注:なお、現在の黒海を通じたいわゆる「穀物回廊」合意は、11月に一度終了する(合意効力は120日間)。同時に、ウクライナとロシアをはじめとする当事者が合意すれば、同回廊合意の効力は延長される。エンバロ大統領の伝えたプーチン露大統領のメッセージは、本件の合意延長とロシア・ウクライナ間協議をリンクさせる意図を持つものである可能性がある)。
またエンバロ氏は、ウクライナはギニアビサウのパートナーであり、それは10月12日のウクライナにおけるロシアの偽「住民投票」不承認に関する国連総会決議への投票行動にて示されていると述べた。同時に同氏は、ロシアもまたギニアビサウの戦略的パートナー国だとも発言した。