国連・トルコ、「黒海穀物合意」の継続に向け協議実施
デュジャリク国連事務総長報道官は30日、グテーレス事務総長が黒海穀物合意へのロシアの参加の再開のための協議を行っていると発表した。
国連広報室がデュジャリク報道官の発表を伝えた。
デュジャリク氏は、グテーレス事務総長が「黒海穀物イニシアティブに関する現在の状況につき深く懸念して」おり、本件に集中するためにアラブ連盟首脳会談へ参加するためのアルジェリア訪問を1日延期したと伝えた。
同氏はまた、グテーレス氏がロシアの穀物合意への参加停止終了を目的に、緊密なコンタクトを取り続けていると報告した。
また同日、トルコ国防省は、穀物合意の継続のための協議を行っていると発表した。
発表には、「イスタンブルの共同調整センターにて活動しているロシア人員は、今も同センターにいる。現時点では、ウクライナからの船舶の出港はない。今日と明日、イスタンブル前にて待っている穀物の積まれた船舶の検査が継続される予定である」と書かれている。
その他同省は、穀物回廊の発効期間、ウクライナから930万トンの穀物が出荷されたと指摘した。
また、アカル・トルコ国防相が同問題の解決、穀物合意の活動継続に向けて努力し、関係者との調整を行っていると書かれている。
同省は、「それら協議の際、関係者には、そのイニシアティブの継続の重要性が喚起されている。同イニシアティブは、全世界の人類に肯定的な影響をもたらすものであり、あらゆる危機は善意と対話で解決が可能であり、メカニズムの効力延長に否定的に影響するどのような挑発も回避できることを証明している」と書かれている。
さらに、同省はトルコは地域の平和と人道支援の確保という役割を果たし続けるとも伝えた。
これに先立ち、29日、ロシアは、黒海に設定した穀物回廊を通じた農産物輸出の合意からの離脱を発表していた。
他方、ロイター通信は、翌30日、ウクライナ、トルコ、国連は、現在トルコ領海に入っている16隻の船の航行の計画につき合意したと報じている。