「ウクライナは穀物合意を履行し続ける」=ゼレンシキー宇大統領
ウクライナのゼレンシキー大統領は31日、ウクライナが穀物輸送合意を締結したのはトルコと国連との間であり、その合意に従った自らの義務を履行し続けると発言した。
ゼレンシキー宇大統領がキーウ(キエフ)を訪問したフィオラ・チェコ首相との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「私は、世界全体がロシア連邦の公式・非公式の代表者による様々な攻撃的性格のレトリックにもう慣れたと思っている。私は、穀物イニシアティブには、2つの並行合意ないし2つの文書があることを喚起したい。1つ目は、ウクライナ・国連・トルコの3者文書である。同3者文書では、誰かが何らかの点で同意しないとか、誰かが穀物イニシアティブを停止したがっているといった話は聞いていない。そのため、本件では、私たちは、3者で合意したままに継続していく」と発言した。
そして同氏は、もう1つの文書が、ロシア、トルコ、国連による3者文書だと指摘した。同氏は、「私は、その文書をトルコないしは国連が違反したということには確信がない。なぜなら、両者は、アフリカあるいはアジアの国々に飢餓をもたらすことに関心がないからだ。よって、いうまでもなく、ロシアが話している、同国がそのイニシアティブを離脱するという話は、同国がその3者の合意から離脱するという話である。それは、ロシアが彼らの合意に違反するという話である」と指摘した。
その上で同氏は、国際パートナーたちがロシアの穀物イニシアティブからの離脱に関するレトリックを「落ち着かせる」ことができることを期待していると述べ、同時に、「他方で、私たちは、穀物イニシアティブを継続していく。なぜなら、私たちは、食料品市場の安定性を世界に届けていることを理解しているからだ」と強調した。
これに先立ち、29日、ロシアは、黒海に設定した穀物回廊を通じた農産物輸出の合意からの離脱を発表していた。
写真:大統領府