欧州議会、ロシアをテロ支援国家と認定
欧州連合(EU)の立法機関である欧州議会は23日、ロシア連邦をテロ支援国家と認定する決議を採択した。
ストラスブールの欧州議会本会議にて賛成494票、反対58票、棄権44票で採択された。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
決議には、「欧州議会は(中略)ロシア連邦とその代理人たちがウクライナやその他の国で破壊的政治目標の達成のために行っている戦争犯罪、民間人に対するテロ行為を断固として非難し、ロシアをテロ支援国家及びテロ手段を行使する国家と認定する」と書かれている。
欧州議員たちは、ザポリッジャ原発におけるロシアの占領を、ウクライナ国民に対するテロの実施と原発を軍事施設へと変えることを目的とした行為だとして非難した。
さらに議員たちは、ロシアの侵略の犠牲者となったウクライナの人々やその他の人々との連帯を表明した。
決議ではまた、EU理事会に対して、ロシアが資金を提供しているロシアの傭兵集団「ワグナー・グループ」やその他の準軍事組織を、EUの制裁対象となる、テロ活動に関与する人物・組織・団体のリストへと加えるよう要請されている。また、ロシアの侵略を可能とし、ロシアの軍事力の強化を行っている国家、非国家主体、個人の責任追及が不可欠だと主張されている。
さらに議員たちは、欧州委員会とEU加盟国に対して、ロシアの対ウクライナ侵略戦争の際に行われた犯罪につき、犯罪者は全て責任を追及されねばならないとし、国際・国内のあらゆる捜査プロセスを支持することが必要だとし、またロシアの対ウクライナ侵略犯罪を扱う特別法廷の設置をしかるべく支持するためにもそれは必要だと呼びかけた。
同時に議員たちは、国際「補償メカニズム」の設置の努力を統合するよう要請した。議員たちは、その努力とは、損害の国際登録の設置や、本件に関するウクライナ政権との連携メカニズムの作成を含むものだと指摘した。
議員たちはまた、ロシアの軍事侵略や、その犯罪行為を正当化したり支持したりする手段とつながるあらゆるシンボルの公的な使用を禁止するよう呼びかけた。
その他欧州議会は、ウクライナや外国の記者が、命の危険を抱えながらも、世界に対してロシアの対ウクライナ戦争に関する正しい情報を伝えていると指摘した。議員たちは、ロシアがこれら記者に対して行った犯罪の捜査を行うよう、また現在の戦争の要素となっているロシアの犯罪的偽情報キャンペーンの調査を実施するよう呼びかけた。
ウクライナのゼレンシキー大統領は、ツイッター・アカウントで、欧州議会の同決議採択について歓迎するメッセージを公開した。
ゼレンシキー氏は、「ロシアのウクライナや世界における長年のテロ政策に終止符を打つために、ロシアをあらゆるレベルで孤立させ、その責任を追求せねばならない」と書き込んだ。
なお、これまでに、10月13日には、欧州評議会議員総会(PACE)が、ロシアの現政権を「テロ政権」と宣言する決議を採択、11月21日には、北大西洋条約機構(NATO)議委員総会が、ロシア連邦の対ウクライナ侵略を裁く特別国際法廷の設置を呼びかけ、またロシア連邦をテロ国家に認定する決議を採択している。