ウクライナ外務省、ロシアの対ウクライナ侵略を裁く特別法廷設置への支持を呼びかけ
ウクライナ外務省は9日、国際社会に対して、ロシア連邦のウクライナに対する侵略犯罪を裁くための当別法定の設置を支持するよう要請した。
12月9日、外務省が1948年にジェノサイド条約が採択されたことに因んだ「ジェノサイド犠牲者の尊厳を想起しその犯罪防止を考える国際デー」に合わせて声明を発出した。
外務省は、2014年から続くロシアの対ウクライナ侵略はジェノサイドの明確な兆候があると指摘した。また、現在のロシアの犯罪的政権はスターリン時代の後継者だとし、当時のスターリン同様に、現ロシア政権がウクライナ人とクリミア・タタール人を殲滅するという目的を設定し、ウクライナの民族・文化的アイデンティティを抹消し、ウクライナ国家・民族の長い歴史を否定し、民族言語の忘却を企てていることを指摘した。
声明では、「ウクライナ外務省は、国際社会に対して、ロシア連邦に対する圧力を強め、ウクライナ政府への軍事・人道の支援の量を増やし、ロシア連邦のウクライナにおける犯罪の捜査と記録を支援し、さらにロシアと同国首脳陣の責任追及のためにロシア連邦のウクライナに対する侵略犯罪のための特別法廷の設置を支持するよう呼びかける」と書かれている。
また外務省は、1932〜1933年のソ連政権がウクライナ民族に対して引き起こした人為的大規模飢餓「ホロドモール」をウクライナ人に対するジェノサイドとの公式認定に向けた活動を続けていくとし、「現在すでに世界各地の19か国がそのように認定している。私たちは、彼らに対して、そのようなサポートにつき心からの感謝を表明するとともに、まだそれを行なっていない国に対して、関連文書を立法レベルで採択するよう呼びかける」と伝えた。
なお、12月15日には、欧州議会がホロドモールをウクライナ人に対するジェノサイドと認定する決議案の審議を行う予定となっている。