フォンデアライエン欧州委員長、EUの第9対露制裁パッケージ発動の合意を歓迎

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は16日、EU加盟国がロシアによる対ウクライナ侵略に関連する、9回目となる対露制裁パッケージの発動に合意したことを歓迎した。

フォンデアライエン欧州委員長がツイッター・アカウントで報告した

フォンデアライエン氏は、「私は、第9対露制裁パッケージについての合意を歓迎する。それは、ロシア経済と戦争マシンが線路からさらに外れることを目的として、技術、金融、メディアに焦点を当てている。それは民間人攻撃と子供の拉致に関与した約200の個人と団体を制裁対象にしている」と伝えた。

また同氏は、「ロシアはウクライナへ死と破壊をもたらし続けており、民間人、民間インフラを意図的に狙っている。同国は、冬のはじまりに国を麻痺させようとしている。しかし、私たちはウクライナとともにあるし、私たちは、ロシアに対してその残酷さの代償を払わせる。私たちがすでに発動した8回の制裁は、すでに痛みをもたらしている。しかし、今日、私たちは、ロシアに第9制裁パッケージにより圧力を高める」と発言した。

同氏は具体的に、制裁リストには、ロシア軍団体や防衛産業企業、軍将校、黒海議員、閣僚、知事、政党代表者が含まれ、また民間人への意図的なミサイル攻撃や子供の拉致、ウクライナの食料品の強盗に関与した重要人物も加えられると伝えた。

また、ロシア地域発展銀行を含む銀行3行も加えられると指摘した。

第3の制裁対象分野となるのは、輸出管理方策の強化とロシアへの軍民両用技術品だと説明された。同制限は、ロシアにて軍用品に用いられる可能性のある化学物質、神経麻痺物質、電子機器、IT関係品が対象となるという。

同氏は加えて、あらゆる型の無人機へのロシアのアクセスを閉ざすと指摘した。これによりロシアへの無人機の直接輸出、イランのようなロシアへと無人機を供与し得る第3国への輸出が禁止されるという。

さらに同氏は、今回の制裁はロシアのプロパガンダ発信媒体も対象となるとし、4つのテレビ局とその他の配信プラットフォームが制限されると伝えた。

同氏はまた、ロシアのエネルギー・資源分野にもさらなる制裁を発動するとし、第9パッケージでは今週発効のロシアの原油の海洋供給の完全禁止に加えて、さらにロシア原油に対する価格上限をG7レベルで同意された第3国にも適用すると説明した。

その上で同氏は、「ロシアの戦争に反対する国際協力は、かつてこれほど強力だったことはない。私たちは堅固かつ一体であり続けている」と強調した。

その他、同日、EU理事会広報室は、第9制裁パッケージ発動を正式に発表した