ゼレンシキー宇大統領「公正な平和とは、領土一体性で一切妥協のないこと」

ウクライナのゼレンシキー大統領は、ロシアが始めた戦争における「公正な平和」とは、ウクライナの領土一体性と主権につき妥協がないことだとの考えを示しつつ、同時に、ロシアの侵略で子供を失った親にとってはどのような平和も公正なものにはならないとも発言した。

ゼレンシキー大統領がワシントンでのバイデン米大統領との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ゼレンシキー氏は、「公正な平和とは何か? それは哲学的な質問だ。公正な戦争はあるだろうか? 私は、平和とは私たち皆にとって様々な形で公正になるものだと思う。大統領である私にとっては、それはどんなものか? 私たちの大地、領土一体性、私たちの主権について、一切の妥協がないことだ。それが最も重要だ」と強調した。

同氏はまた、公正な平和は、ロシアの侵略により被った全ての損害の賠償の支払いも定めると発言した。

同時に同氏は、息子や娘を失った親にとっては公正な平和は存在しないとの見方も示した。同氏は、「彼らにとって公正な平和とは何だろうか? 彼らにとって、そのようなお金は何も意味しない。どんな賠償も彼らは興味がない。彼らは復讐で生きることになる。彼らは復讐で生きている。それは総じて大きな悲劇だ。この戦争が長く続けば続くほど、ロシア連邦のこの侵略が長くなればなるほど、復讐で生きるような親が多くなる。なぜなら、彼らにとって、生きる上で他の意味がなくなるからだ。それが私の目にしている人々、私が知っている人々である。ホワイトハウスにいるのに、文化的な言葉を見つけることすらできないが、その人間ならざる者どもが私たちにもたらした戦争において、公正な平和は一切存在しないのだ」と発言した。

なお、21日、ゼレンシキー大統領は、米ワシントンを訪問し、バイデン米大統領と会談を行った

これに先立ち、同日、米国政権は、ウクライナに対する総額18.5億ドルの新しい軍事支援を発表している。同支援には、防空システム「パトリオット」のウクライナへの供与が含まれている。

写真:ヤロスラウ・ドウホポル/ウクルインフォルム