ゼレンシキー宇大統領、露侵略開始1年経過前に国連を訪れる意向あり
ウクライナのゼレンシキー大統領には、ロシアの対ウクライナ全面侵攻開始から1年が経過する日の前日に、ニューヨークの国連総会ハイレベル会合で演説をする意向があることがわかった。
ジェパル(ジャパロヴァ)宇外務第一次官がAP通信へのインタビュー時に発言した。
報道によれば、ジャパロヴァ氏は、「私たちの大統領は訪問したがっており、彼には渡航の意志も意向もあるのだが、しかし、問題は、治安情勢がそのような訪問を許すかどうかにある」と発言し、特にウクライナの情報機関がロシアによる2月の大規模侵攻の準備を警告していることを喚起した。
キスリツャ駐国連ウクライナ大使は、国連総会は2月23日に戦争に関するハイレベル協議を予定しており、さらにその後2月24日には国連安全保障理事会にて閣僚級会合が開かれると伝えた。
ジェパル外務第一次官は、ウクライナは侵攻1周年に国連総会がウクライナの主導している2本の決議案の内の1本を採択して欲しいと思っているとし、それはゼレンシキー大統領が提案している、ウクライナの領土一体性回復やロシア軍の撤退、侵略犯罪を扱う法廷の設置など、10項目からなる「平和の公式」を支持する内容のものだと説明した。
同氏は、「決議採択後にはじめて、平和と和平合意に関する協議が始められるのだ」と指摘した。
これに先立ち、ゼレンシキー大統領は1月6日、日本の岸田首相と電話会談を行い、G7議長国の開始を歓迎し、これまでの日本の支援に感謝した他、自身が提案している10項目からなる「平和の公式」への実現へと日本が加わるよう招待した。
なお、ゼレンシキー宇大統領は2022年11月15日、G20首脳へ向けたビデオ演説を行った際に、ロシアによる対ウクライナ戦争の終結に向けた10項目からなる「平和の公式」を提案していた。
その際、ゼレンシキー大統領が平和実現のために履行が必要だと指摘した10の項目は以下のとおり。
1.放射線・核の安全
2.食糧安全保障
3.エネルギー安全保障
4.全ての被拘束者と追放された人々の解放
5.国連憲章の履行とウクライナの領土一体性と世界の秩序の回復
6.ロシア軍の撤退と戦闘の停止
7.正義の回復
8.環境破壊行為対策
9.エスカレーションの防止
10.戦争終結の確認
さらに、12月18日、ゼレンシキー大統領は、ウクライナが提案している「グローバル平和の公式サミット」を今年の冬の開催を主導すると発表していた。
写真:大統領府