ゼレンシキー宇大統領、IOCのパリ五輪へのロシア選手参加許可の決定につきマクロン仏大統領に書簡送付
ウクライナのゼレンシキー大統領は29日、国際オリンピック委員会(IOC)がロシアとベラルーシの選手を2024年のパリ・オリンピックへと中立の旗の下で参加できると決定したことにつき、マクロン仏大統領に書簡を送付したと伝えた。
ゼレンシキー氏が、同日夜の動画メッセージで発言した。
ゼレンシキー氏は、「IOCによる、ロシアのスポーツマンを諸大会やオリンピックに戻そうとする努力は、世界中に対して、テロは受け入れ可能なものであると述べる努力である。ロシアがヘルソンやハルキウ、バフムートやアウジーウカで行っていることに目を瞑ることができるということだ」として、IOCを批判した。
そしてゼレンシキー氏は、「同日マクロン氏に、本件について話し、また1月24日の話を続けるために書簡を送った」と伝えた。
同氏は、パリ・オリンピックへの準備をする上で、ウクライナは、ロシアがオリンピックやその他国際スポーツ大会を侵略プロパガンダなどに利用しないことの確信を得なければならないと強調した。
さらに同氏は、20世紀前半、欧州では凄惨な悲劇をもたらすことになる多くの過ちが犯されたとし、特に「オリンピックの過ち」は大きいと発言した上で、オリンピックとテロ国家は絶対に交わってはならないと指摘した。
これに先立ち、25日、IOCは、ウクライナ侵攻の影響で国際大会から除外されているロシアとベラルーシの選手につき、パリ・オリンピックへの参加が「検討されるべき」と発表していた。
写真:ゲッティー・イメージ