ゼレンシキー大統領、軍人への違法行為の刑罰強化法への署名につき説明
ウクライナのゼレンシキー大統領は3日、国民から拒否権を行使することを求められていた、ウクライナ軍人が違法行為を犯した場合の刑罰を強化する法案に署名した理由を説明した。
大統領府ウェブサイトがゼレンシキー大統領の本件の立場を掲載した。
ゼレンシキー氏は、「私が署名した第8271法は、軍役従事下での軍の規律と法秩序の改善、軍部隊の戦闘準備及び祖国防衛のために定められた課題遂行能力の向上を目的としたものである」と伝えた。
さらに同氏は、今回の署名を決める際には、ザルジュニー軍総司令官と部隊指揮官の意見を考慮したと指摘したとし、軍の幹部たちは、今回の法律により不適切な軍人の損耗を回避できるようになると主張していると説明した。
また同氏は、内閣に対して、軍人が違法行為を犯した際の責任追求メカニズムを改善するよう要請したと伝えた。
これに先立ち、ゼレンシキー大統領は、1月24日に軍人の刑事責任を強化する法案に署名していた。同法は、裁判官に個別の犯罪で裁かれた軍人の刑罰を軽減したり執行猶予を与えたりすることを禁止することなどを定めている。対象となる犯罪は、抗命、命令不履行、上官への脅迫・暴力、無許可離隊、逃走、戦場からの自発的離脱となっている。
また、戦争犯罪と行政違反の罰則期間も増やされている。
大統領に対しては、電子請願制度を通じて、同法に拒否権を発動することを求める署名が3万4941名集まり、請願が成立したことから(2万5000以上の署名で成立)、大統領は同請願への回答を義務付けられていた。